TAVI、カテーテル治療の多施設レジストリー研究グループ『OCEAN-SHD研究会』
Optimized CathEter vAlvular iNtervention Structual Heart Disease

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論文実績

2020年

2020年

Title :
Late Adverse Cardiorenal Events of Catheter Procedure-Related Acute Kidney Injury After Transcatheter Aortic Valve Implantation
TAVI後AKIの慢性期における心腎イベントについて
About :
TAVI後AKIによる臨床的アウトカムへの長期的な影響については、完全には解明されていない。この研究は、TAVI後AKIの慢性期における心腎イベントを評価することを目的とした。日本の多施設レジストリーに登録されTAVIを受けた患者の内、院内死亡を除いた合計2518人の患者を対象とした。AKIの発生率は9.7%で、AKIの予測因子は、男性、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病、低アルブミン、過剰な造影剤、非経大腿アプローチ、輸血、血管合併症、および新規のペースメーカー植込術であった。心不全再入院率と血液透析導入率はTAVI後AKIを発症していない群と比較しAKI群で有意に高いことがわかった。またTAVI後AKIがMARCE(腎不全及び心不全の再入院、血液透析導入、心血管・腎不全死)と4年後の死亡率の独立した予測因子であることがわかった。
Author :
Adachi Y, Yamamoto M, Shimura T, Yamaguchi R, Kagase A, Tokuda T, Tsujimoto S, Koyama Y, Otsuka T, Yashima F, Tada N, Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Mizutani K, Tabata M, Ueno H, Takagi K, Watanabe Y, Hayashida K, on behalf of the OCEAN-TAVI investigators.
American Journal of Cardiology. 2020.7 Accept
足立Dr.

2020年

Title :
Update on the clinical impact of mild aortic regurgitation after transcatheter aortic valve implantation
TAVI後の軽度大動脈弁逆流の臨床的影響に関するアップデート
About :
TAVI後のmoderate以上の大動脈弁逆流(aortic regurgitation: AR)はその後の死亡率増加と関連していることが多くの研究から明らかとなっている。その一方、TAVI後のmild ARの臨床的影響に関しては様々な報告があり、未だ議論となっている。そこで、我々はTAVI後ARがmoderate以上であった症例を除外の上、none-trivial AR群、mild AR群の2群に分け、それぞれのアウトカムを比較した。
結果として、mild AR群ではnone-trivial AR群と比較して、心血管死の発症率に有意差はみられなかったものの、心不全再入院は有意に増加していた。さらに、mild ARの影響をより受けやすいサブグループについて検討すべく、性別、肥満指数、留置した生体弁の種類、左室駆出率(left ventricular ejection fraction: LVEF)、術前のAR、左室肥大のパターン、術前の手術リスクで層別解析も行った。その結果、術前のLVEFが50%以下の場合、術前ARがほとんどない場合、術前に求心性左室肥大を認める場合で、mild AR群で心不全再入院の発症率がより多い傾向がみられた。
以上の結果から、LVEF、左室肥大のパターン、ARを含む術前の心エコー所見が、それぞれの症例におけるTAVI後ARの許容範囲の参考となり、ひいては生体弁の種類・サイズの選択や後拡張を行うかどうかの判断材料となり得ると考えられた。
Author :
Yoshijima N, Yanagisawa R, Hase H, Tanaka M, Tsuruta H, Shimizu H, Fukuda K, Naganuma T, Mizutani K, Araki M, Tada N, Yamanaka F, Shirai S, Tabata M, Ueno H, Takagi K, Higashimori A, Watanabe Y, Yamamoto M, Hayashida K. Update on the clinical impact of mild aortic regurgitation after transcatheter aortic valve implantation: Insights from the Japanese multicenter OCEAN-TAVI Registry. Catheter Cardiovasc Interv. 2020; 95: 35-44.
吉島 Dr.

2020年

Title :
Prognostic impact and periprocedural complications of chronic steroid therapy in patients following transcatheter aortic valve replacement: Propensity-matched analysis from the Japanese OCEAN registry
慢性的にステロイドを使用している患者に対してTAVIを行った際の血管合併症の頻度と予後に関する検討
About :
慢性的にステロイドを内服している患者とそうでない患者におけるTAVI後経過に関する報告は少ないため検討した。我々は1313例の大腿動脈アプローチTAVIを受けた患者をステロイド使用群と非使用群に分類して、血管合併症を含めた治療経過に関して比較検討した。結果、ステロイド使用群で有意に血管合併症が多かったものの、短期予後は両群で差は無かった。このことから慢性的なステロイド使用はTAVIの短期成績に影響を及ぼさないものの、血管合併症には影響するため、慎重な対応が必要であるといえる。
Author :
Koyama Y, Yamamoto M, Kagase A, Tsujimoto S, Kano S, Shimura T, Hosoba S, Watanabe Y, Tada N, Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Mizutani K, Tabata M, Ueno H, Takagi K, Higashimori A, Shirai S, Hayashida K. Prognostic impact and periprocedural complications of chronic steroid therapy in patients following transcatheter aortic valve replacement: Propensity-matched analysis from the Japanese OCEAN registry. Catheter Cardiovasc Interv. 2020 Mar 1;95(4):793-802.
小山 Dr.

2020年

Title :
Evaluation of the incidence, timing, and potential recovery rates of complete atrioventricular block after transcatheter aortic valve implantation: a Japanese multicenter registry study
TAVI後の完全房室ブロックに関する検討
About :
TAVI後に刺激伝導系が障害されることで完全房室ブロック(CAVB)に至る患者が存在するが、術後発症のタイミングと経時的な変化に関する検討は少ない。本試験ではTAVI後にCAVBに至った患者に関して、その発症時期とその後の経過に関する検討を行った。TAVI後の計696症例が登録され、TAVI後24時間以内に発症したCAVBを急性CAVB、24時間以降に発症したものを遅発CAVBとした。また、ペースメーカー植え込み後(PPI)のペースメーカー作動率が1%未満の物を非持続性CAVB、それ以外を持続性CAVBとし、これらの群間での違いを検討した。結果、CAVBに至ったのは48症例で全体の6.9%、急性CAVBは全体の4.6%で遅発性CAVBは2.3%であった。この48症例の中で23例が非持続性CAVBで急性CAVB群に有意に多かった。なお、CAVBが非持続性であると判断される前に21.7%の患者がすでにPPIされていた。また、術前の完全房室ブロックが持続性CAVBの唯一の独立予測因子であった。これらの結果は、今後のTAVI後CAVB患者においてペースメーカー植え込み時に生かされるべきである。
Author :
Kagase A, Yamamoto M, Shimura T, Kodama A, Kano S, Koyama Y, Tada N, Takagi K, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K. Evaluation of the incidence, timing, and potential recovery rates of complete atrioventricular block after transcatheter aortic valve implantation: a Japanese multicenter registry study. Cardiovasc Interv Ther. 2020 May 16. doi: 10.1007/s12928-020-00670-6. Online ahead of print.
加賀瀬Dr.

2020年

Title :
Appropriateness of Transcatheter Aortic Valve Replacement: Insight From the OCEAN-TAVI Registry
TAVI施行における適応適切性の検討
About :
近年、TAVIの適応は拡大される傾向にあり、施行件数は飛躍的な増加を認めている。しかしながら日常臨床において、TAVI施行が目の前の患者にとって本当に有益かどうかが非常に悩ましい状況を数多く経験する。そうした状況への一助として、米国の学会が主導し、どのような患者に対してTAVI施行をすることが望ましいのか、あるいは望ましくないのかという問いに対して一定の基準を示した、適応適切性基準が2017年に発表された。本研究は、適応適切性基準に照らし合わせた場合、本邦で施行されたTAVIがどの程度において適切な適応のもとで施行されているかを評価したものである。結果として、大部分の症例が適切な適応のもとで施行されており、「適切ではない(Rarely Appropriate)」と評価された症例は、わずか4.9%〜6.8%であった。「適切ではない(Rarely Appropriate)」と評価された症例の特徴として、1)中等度以上の認知症を患っていること、2)平均期待予後が1年未満であること、3)二尖弁を原因とした大動脈弁狭窄症であることが明らかとなった。こうした症例に対して、適応をこれまで以上に慎重に検討していくことは、TAVI領域における医療の質の向上に寄与するものと考えられる。
Author :
Inohara T, Vemulapalli S, Kohsaka S, Yashima F, Watanabe Y, Shirai S, Tada N, Araki M, Naganuma T, Yamanaka F, Ueno H, Tabata M, Mizutani K, Higashimori A, Takagi K, Yamamoto M, Shimizu H, Fukuda K, Hayashida K; OCEAN-TAVI Investigators. Appropriateness of Transcatheter Aortic Valve Replacement: Insight From the OCEAN-TAVI Registry. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2020 Apr;13(4):e006146.
猪原 Dr.

2020年

Title :
Impact of beta blockers on patients undergoing transcatheter aortic valve replacement
β遮断薬がTAVI患者に与える影響
About :
TAVIの適応は拡大してきているにも関わらずTAVI患者の至適薬物療法についてのデータは少ない。TAVI患者へのβ遮断薬に関しては報告が少ないのが現状である。今回、OCEAN-TAVIレジストリーに登録された患者の2563名を術前のβ遮断薬の有無で2群に分け、傾向スコアマッチングを行い、心血管死、非心血管死について比較を行った。結果、2群間では心血管死、非心血管死ともに統計的有意差を認めなかった。院内予後に関してはβ遮断薬を内服していても新規のペースメーカやPVLなどの合併症は増えず、β遮断薬を内服している群に術後心不全が少ないということがわかった。さらに心血管死についてサブグループ解析を行ったところ、CABG後、PAD合併、BNP≧400pg/ml、TAVI後のLVEF<50%の患者においてβ遮断薬を内服している患者で心血管死が少ないことがわかった。これらの患者群は過去の報告でも心血管死のリスクの高いグループであり、重症心筋虚血や心不全合併がみられる患者群である。最終的な判断にはRCTが必要ではあるが、そのようなグループではβ遮断薬が有効である可能性が示唆される結果となった。
齋藤 Dr.

2020年

Title :
A novel technique to avoid perforation of the right ventricle by the temporary pacing lead during transcatheter aortic valve implantation.
TAVI中の一時ペーシングリードによる右室穿孔を予防する新手法
About :
心タンポナーデはTAVIの重要な合併症の一つであり、その原因として比較的多いのが一時ペーシングリードによる右室穿孔である。ペーシングリードによる右室穿孔の予防策として一部の術者によって経験的に行われてきたのが、先端バルーンを拡張したまま右室内に留置する方法である。さらにペーシング不全のリスクとバランスを取るために、さらに一部の術者は先端バルーンを” partial inflation”する方法を経験的に行ってきた。これらの方法が実際に右室穿孔やペーシング不全のリスクとどのように関連しているかをOCEAN-TAVIレジストリ内で検討したのが本研究である。ペーシングリード先端バルーンの状態毎にfull inflation群 (n=100)、 partial inflation群 (n=196)、 deflation群 (n=430)とした。ペーシングリードによる右室穿孔は統計学的に有意ではないものの (p=0.13)、deflation群のみで観察された (6 例 1.4%) 。その一方でペーシング不全はfull inflation群で有意に多く観察された (4.0% vs. 0.5% vs. 0.5%, p=0.004)。手技成功や30日死亡率には3群間で差がなかった。
 以上より、ペーシングリード先端バルーンをpartial inflationとすることが、右室穿孔とペーシング不全両者のリスクの観点から最も効果的であることが示唆された。
Author :
Tanaka M, Yanagisawa R, Yashima F, Arai T, Watanabe Y, Naganuma T, Shirai S, Araki M, Tada N, Yamanaka F, Shimizu H, Fukuda K, Yamamoto M, Hayashida K. A novel technique to avoid perforation of the right ventricle by the temporary pacing lead during transcatheter aortic valve implantation. Cardiovasc Interv Ther. 2020 May 30.
慶應 田中 Dr.

2019年

2019年

Title :
Silent Valsalva thrombus between the native Valsalva and balloon-expandable transcatheter heart valve: multicentre Japanese registry analysis
TAVI生体弁とバルサルバ洞の間に形成されるバルサルバ血栓に関する検討
About :
TAVI生体弁を留置すると元々のバルサルバ洞は生体弁により圧排され、新たな血栓形成の温床となる可能性がある。このため、我々はTAVI後バルサルバ血栓症の頻度とこれが臨床経過に与える影響に関して検討した。バルーン拡張型TAVI生体弁を留置した338症例に関して造影CTでバルサルバ血栓症の有無を観察した。全症例の8.9%にバルサルバ血栓を、8.3%に血栓弁を認めた。バルサルバ血栓症の独立した予測因子はバルサルバ洞に対して大きな生体弁が留置されることであった。また、バルサルバ血栓を有す患者と有さない患者で脳梗塞を含めた予後に差は無かった。
Author :
Tsunaki T, Yamamoto M, Shimura T, Kagase A, Naganuma T, Higashimori A, Araki M, Yamanaka F, Mizutani K, Watanabe Y, Otsuka T, Yanagisawa R, Hayashida K. Silent Valsalva thrombus between the native Valsalva and balloon-expandable transcatheter heart valve: multicentre Japanese registry analysis. EuroIntervention. 2019 Nov 20;15(10):892-899.
綱木 Dr.

2019年

Title :
Percutaneous aortic valve intervention in patients scheduled for noncardiac surgery: A Japanese multicenter study
非心臓疾患に対する手術が予定された患者に対する経皮的大動脈弁治療の安全性
About :
重症大動脈弁狭窄症(AS)を有する患者様で非心臓疾患の手術を受ける予定がある場合、AS治療をどのタイミングで行うことが最も良いとされるのかに関しては、はっきりとしたコンセンサスが得られていない。私たちは118名の非心臓疾患の手術が予定されている重症AS患者のうち、60症例にバルーン拡張術を、58例にTAVIを行い、瀬尾の成績を評価しました。結果、周術期の大動脈弁圧較差バルーン拡張術群で有意に高く、非心臓手術に関するリスクは同様であった。非心臓手術周術期の出血リスクに差は無かったが、バルーン拡張術群に関しては53.3%に患者がその後のASに対する追加治療を必要とした。
Author :
Yamamoto M, Kagase A, Shimura T, Koyama Y, Tsujimoto S, Kano S, Hosoba S, Tada N, Yamanaka F, Naganuma T, Araki M, Shirai S, Mizutani K, Tabata M, Ueno H, Takagi K, Higashimori A, Watanabe Y, Hayashida K; OCEAN-TAVI investigators. Percutaneous aortic valve intervention in patients scheduled for noncardiac surgery: A Japanese multicenter study. Cardiovasc Revasc Med. 2019 Oct 22:S1553-8389(19)30648-7.
山本 Dr.

2019年

Title :
Transcatheter aortic valve replacement outcomes in Japan: Optimized CathEter vAlvular iNtervention (OCEAN) Japanese multicenter registry
日本におけるTAVIの成績
About :
日本人におけるTAVI後の安全性と弁の性能に関するデータは限られていた。この研究は、日本におけるTAVI後の臨床転帰を評価することを目的とした。日本の多施設レジストリーに登録されTAVIを受けた患者1613人の患者を対象とし、4四分位数を使用して、各センターでのTAVIの経験に従って患者を4つのグループに分けた。30日死亡率は4群間で有意差はなかったが、安全性は大幅に改善した。また中期死亡リスクの独立した予測因子は、男性、Clinical Frailty Scale、NYHA、血清クレアチニン値、血清アルブミン値、ヘモグロビン、肝疾患、および非経大腿アプローチであることがわかった。日本のグローバルサポートシステムによって、新しく導入されたTAVIの初期および中期における良好な成績が得られた。
Author :
Yamamoto M, Watanabe Y, Tada N, Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Mizutani K, Tabata M, Ueno H, Takagi K, Higashimori A, Shirai S, Hayashida K; OCEAN-TAVI investigators. Cardiovasc Revasc Med. 2019 Oct;20(10):843-851. doi: 10.1016/j.carrev.2018.11.024. Epub 2018 Dec 4.
山本 Dr.

2019年

Title :
The MAGGIC risk score predicts mortality in patients undergoing transcatheter aortic valve replacement: sub-analysis of the OCEAN-TAVI registry
MAGGICリスクスコアとTAVI後の死亡との関係
About :
MAGGICリスクスコアは心不全患者の予後を予測するスコアとして誕生した。TAVIを行ったAS患者におけるMAGGICリスクスコアの有効性は検討がなく、OCEAN-TAVIレジストリーデーターを用いてその有用性を検討した。1613例のうちMAGGICリスクスコアを計算できた1383例が本研究での解析対象となった。MAGGICリスクスコアを中央値で2群へ分けて予後を評価した結果、MAGGICリスクスコア高値では低値群より予後が悪い結果であった。この関係はSTSスコアでhigh risk群で主に認められSTSスコア低・中リスクではMAGGICリスクスコアと生命予後の関連は認められなかった。MAGGICリスクスコアはTAVI後の生命予後予測に有用であったが、STSスコアでhigh riskと分類される患者に限定される結果であった。
Author :
Hioki H, Watanabe Y, Kozuma K, Kawashima K, Nagura F, Nakashima M, Kataoka A, Yamamoto M, Naganuma T, Araki M, Tada N, Shirai S, Yamanaka F, Higashimori A, Mizutani K, Tabata M, Takagi K, Ueno H, Hayashida K. The MAGGIC risk score predicts mortality in patients undergoing transcatheter aortic valve replacement: sub-analysis of the OCEAN-TAVI registry. Heart Vessels 2019;34:1976-1983.
日置紘文 Dr.

2019年

Title :
Early and Late Leaflet Thrombosis After Transcatheter Aortic Valve Replacement
TAVI後の早期および遅発性生体弁血栓症
About :
TAVI後1年以上経過した未治療の無症候性生体弁血栓症のデータは不足しており、その頻度・臨床的なインパクトの解析を行った。
OCEAN registryの患者485名において、血栓症による弁葉可動性低下を伴うHypoattenuated leaflet thickening(HALT)のサーベイランスを目的に、TAVI生体弁の4D-CT解析を、TAVI後3日、6ヶ月、1年、2年、3年のタイミングで施行した。HALTが検出された患者はいずれも無症状であり、抗凝固薬の追加は行われなかった。
早期(TAVI3日後)生体弁血栓症は9.3%の患者でみられ、退院時のmean pressure gradientの上昇に影響していた。また、バルーン拡張型生体弁において、low-flow low-gradient AS、severe PPM, 29mm 生体弁が独立した血栓症の予測因子であった。死亡、脳卒中、心不全再入院の累積2年のcumulative event rateは、早期血栓症が見られた患者および見られなかった患者で、それぞれ10.7%、16.9%であった(P=0.63)。遅発性血栓症は3年後にかけて発生し続け、男性、軽症以下の弁周囲逆流が発生の独立因子であった。
未治療の早期TAVI後生体弁血栓症は、無症状の患者においてハードエンドポイントに影響しなかった。また、TAVI後3年においても、遅発性血栓症の新規発生が確認された。
Author :
Ryo Yanagisawa, MD, Makoto Tanaka, MD, Fumiaki Yashima, MD, Takahide Arai, MD, Masahiro Jinzaki, MD, Hideyuki Shimizu, MD, Keiichi Fukuda, MD, Yusuke Watanabe, MD, Toru Naganuma, MD, Akihiro Higashimori, MD, Kazuki Mizutani, MD, Motoharu Araki, MD, Norio Tada, MD, Futoshi Yamanaka, MD, Toshiaki Otsuka, MD, Masanori Yamamoto, MD, and Kentaro Hayashida, MD. Early and Late Leaflet Thrombosis After Transcatheter Aortic Valve Replacement. A Multicenter Initiative From the OCEAN-TAVI Registry. Circ Cardiovasc Interv. 2019 Feb;12(2):e007349.
Dr.柳澤

2019年

Title :
Previously implanted mitral surgical prosthesis in patients undergoing transcatheter aortic valve implantation: Procedural outcome and morphologic assessment using multidetector computed tomography
経カテーテル大動脈弁留置術施行患者における既存の僧帽弁位外科人工弁:手技成績とマルチスライスコンピューター断層撮影による形態評価
About :
僧帽弁置換術後の症例に対するTAVIは、僧帽弁位の人工弁へ干渉するリスクがあり難易度が高いと考えられてきた。これまでいくつかの症例報告やレジストリ研究で手技成績や合併症について報告されているが、本研究ではそれに加えてOCEAN-TAVIレジストリの特徴の一つであるMDCTの詳細な解析についてフォーカスした。特にTAVI術後MDCTの解析は今まで報告されておらず新規の内容である。
 僧帽弁置換術後でTAVIが施行された31症例のうち、僧帽弁位人工弁との干渉なくTAVIが成功したのは30症例であった。1症例でTAVI弁が僧帽弁位人工弁と干渉し僧帽弁位人工弁の部分的な開放制限を認めたが、保存的経過観察で退院可能であった。留置中のTAVI弁シフト(留置中の予期しないTAVI弁の上下動)が9症例で観察され、術前MDCTにおける大きな大動脈弁輪面積が予測因子であった(オッズ比: 1.24 per 10 mm2, 1.03–1.49, p=0.02)。MDCTの計測で僧帽弁位人工弁のサイズはTAVI前後で変化しなかった。TAVI弁と僧帽弁位人工弁の距離の中央値は2.6mmであった。TAVI術後の僧帽弁位人工弁とTAVI弁とがなす角度は、TAVI術前の僧帽弁位人工弁と左室流出路とがなす角度より大きく (64° vs. 61°, p=0.03)、TAVI弁が右冠尖方向へ傾いて留置されている事が示唆された。
 以上より、僧帽弁位人工弁のある症例へのTAVIの成績は総じて良好であると考えられた。術前MDCTで大動脈弁輪面積の大きい症例は留置中のTAVI弁シフトに注意が必要と考えられた。術前後のMDCTからは、TAVI弁が良好な位置に留置されている事と、僧帽弁位人工弁の形態に変化がない事が確認された。
Author :
Tanaka M, Yanagisawa R, Yashima F, Arai T, Jinzaki M, Shimizu H, Fukuda K, Watanabe Y, Naganuma T, Shirai S, Araki M, Tada N, Yamanaka F, Higashimori A, Takagi K, Ueno H, Tabata M, Mizutani K, Yamamoto M, Hayashida K, on behalf of the OCEAN-TAVI investigators. (2019) Previously implanted mitral surgical prosthesis in patients undergoing transcatheter aortic valve implantation: Procedural outcome and morphologic assessment using multidetector computed tomography. PLoS ONE 14(12): e0226512.
慶應 田中 Dr.

2019年

Title :
Prognostic impact of postprocedure stroke volume in patients with low-gradient aortic stenosis
低圧較差重症大動脈弁狭窄症におけるTAVI術後stroke volumeによる予後予測
About :
TAVIにおいて心臓エコー上の術前stroke volume indexが強力な予後予測因子である事は先行文献にて示されているが本論文では低圧較差重症大動脈弁狭窄症におけるTAVI前後の心臓エコーにて計測されたstroke volume indexが予後にどのような影響を与えるか検討した。1613症例が期間内にOCEAN-TAVIレジストリに登録され、低圧較差重症大動脈弁狭窄症に対してTAVIを行った418人を今回、解析の対象とした。フォローアップ内の心臓血管死ならびにその予測因子をプライマリーエンドポイントとした。フォローアップ期間内 (median 9.2 months)の心臓血管死は4.1% (17 patients) で多変量解析にてTAVI術後stroke volume indexが独立した予後予測因子である事が判明した. 予後予測における最適なcut-off は41.4 mL/m2でありTAVI術後stroke volume indexはTAVI術前stroke volume index よりも有意に大きいarea under the curve を示した (0.74 (95% CI 0.69 to 0.79) vs 0.61 (95% CI 0.56 to 0.65), p<0.05)。この事によりTAVI術後stroke volume indexはTAVI術前stroke volume indexよりも、低圧較差重症大動脈弁狭窄症に対するTAVI術後の中期的な予後予測において優れた因子である事がわかった。この論文により術後も継続して低い心臓エコー上のstroke volume indexを示す患者はより厳密なフォローアップを要する事がわかった。
Author :
Nara, Y., Kataoka, A., Watanabe, Y., Makoto, N., Hioki, H., Kawashima, H., Fukuko, N., Kozuma, K., Shirai, S., Tada, N., Araki, M., Naganuma, T., Yamanaka, F., Ueno, H., Tabata, M., Mizutani, K., Higashimori, A., Takagi, K., Yamamoto, M. and Hayashida, K. Prognostic impact of postprocedure stroke volume in patients with low-gradient aortic stenosis. Open heart 2019;6:e000988.
Dr. 奈良

2019年

Title :
Clinical Impact of Preprocedural Moderate or Severe Mitral Regurgitation on Outcomes After Transcatheter Aortic Valve Replacement. Can J Cardiol. 2019 Dec 31:S0828-282X(119)31548-X.
About :
背景: 経皮的大動脈弁植え込み術 (TAVR)の僧帽弁逆流症 (MR)改善への影響はわかっていない. 有意なMRとTAVR後のその改善における臨床的意義を検討するためにこの研究が組まれた.
方法: OCEAN-TAVIレジストリーに登録されている1,587人が評価された. 術前MRがmild以下は1,443人 (90.9%), moderateもしくはsevere MRが144人 (9.1%)認めた.
結果: 術前のmoderateもしくはsevere MRはTAVR後1年 (adjusted HR 1.85, 95% CI 1.20-2.84; P=0.005), 2年 (adjusted HR 1.64, 95% CI 1.15-2.34, P=0.007)の全死亡率リスク上昇と関連していた。TAVR後6か月にて術前moderate or severe MR患者の77.4%でMRの改善を認めた. 多変量解析では, 心筋梗塞の既往がないこと (OR 8.00, 95% CI 1.74-36.8; P=0.008), 術前のβ遮断薬内服 (OR 2.71, 95% CI 1.09-6.70; P=0.031)がTAVR後6か月のMR改善と関連していた. MRの改善した患者はMRが不変もしくは悪化した患者と比べて有意に心不全入院が少なかった (11.6% versus. 30.8%; P=0.007).
結論: 術前moderateもしくはsevere MRはTAVR後2年の全死亡率のリスク上昇と関連していた. TAVR後6か月にて大部分の術前moderateもしくはsevere MRの改善を認めた. MRの不変, もしくは増悪は心不全入院率を上昇させた.
コメント:
術者の経験の蓄積やデバイスの改良に伴い, TAVRの成績は安定し, 対象も中等度リスク, 低リスクへと拡大している. そのような中, 大動脈弁狭窄症 (AS)にMRが合併している患者も度々認める. 外科手術はASのみならず, 弁形成等により直接同時にMRへの治療介入ができるが, TAVRのみではMRへの治療介入ができない. 今研究ではASにMRが合併した患者の長期予後, MRの変化を検討し, 術前moderateもしくはsevere MRはTAVR後2年の全死亡率のリスク上昇と関連していたことを示した. またTAVR後6か月にて77%の高度MRが改善し, その関連因子を突き止めた. MRが不変もしくは増悪した場合は有意に心不全入院が増加することも示した. AS, MRの複合弁膜症へのTAVRの妥当性を示し, COAPT trial (1)の結果も踏まえ, TAVR後MRが改善しない場合はMitraClip (Abbott Vascular, Santa Clara, CA)等経皮的僧帽弁形成術の早期介入が検討される.
Author :
(1) Stone GW, Lindenfeld J, Abraham WT, et al. Transcatheter mitral-valve repair in patients with heart failure. N Engl J Med 2018;379:2307-18.
三浦 Dr.

2018年

2018年

Title :
Ankle-brachial pressure index as a predictor of the 2-year outcome after transcatheter aortic valve replacement: data from the Japanese OCEAN-TAVI Registry.
TAVI施行後の2年臨床成績を予測する指標:Ankle-Brachial Pressure Index
About :
末梢血管病変の存在はTAVIにおいてはアクセス部位の選定に重要な役割を果たす。Ankle-brachial pressure index (ABI)は多くの心血管疾患の死亡を予測するマーカーとして報告されているが、高リスクのTAVI適応患者においては分かっていない。OCEAN-TAVIレジストリーに登録された1613例のうち、術前にABIが計測された1458例を対象とした。両下肢ともABI≧0.9(ABI≧0.9群)と、片側または両側が0.9未満(ABI<0.9群)の2群に分けて短期及び長期(2年)の臨床成績を比較した。後者のABI低下は全体で21%に認めた。2年の総死亡は、ABI<0.9群で有意に高く(15.8 vs. 8.7%, p < 0.001)、経大腿動脈(TF)-TAVIでも同様に高かったが(14.9 vs. 7.5%, p < 0.001)、alternative アプローチ(TF以外のアクセス)では差は認めなかった(17.2 vs. 15.8%, p = 0.815)。30日以内ではABI<0.9群で心臓死は高かった(3.1 vs. 1.0%, p = 0.033)が、31日~2年のランドマーク解析では非心臓死の割合が高かった(9.2 vs. 5.1%, p = 0.003)。院内合併症は、手技に伴う血管合併症(11.9 vs. 4.9%, p < 0.001)、急性腎障害(10.8 vs, 5.7%, p = 0.009)がよりABI<0.9群で多くみられた。多変量解析では、ABI<0.9は2年死亡の独立した予測因子であった(adjusted hazard ratio 1.495, 95% CI 1.007-2.220, p = 0.046)。高リスクのTAVI患者においても、術前のABI<0.9は死亡を予測する良いマーカーであることが分かった。
Author :
Yamawaki M, Araki M, Ito T, Honda Y, Tokuda T, Ito Y, Ueno H, Mizutani K, Tabata M, Higashimori A, Tada N, Takagi K, Yamanaka F, Naganuma T, Watanabe Y, Yamamoto M, Shirai S, Hayashida K; OCEAN-TAVI Registry. Heart Vessels. 2018;33:640-650.

2018年

Title :
A proctoring system to manage the learning curve associated with the introduction of transcatheter aortic valve implantation in Japan.
TAVI導入時期におけるラーニングカーブを制御する本邦のプロクタリング制度が治療成績に及ぼす影響
About :
TAVIは多職種アプローチで施行するため、導入時期におけるラーニングカーブの克服をハートチーム全体で取り組まなければならない。本邦のプロクタリング制度はプロクターの立ち合いで施行するOn-siteに加え、外部のエキスパートが患者選択に助言するweb-baseの二部構成が特徴である。本制度のラーニングカーブにおける効果を検証するため、OCEANレジストリーのうち2013年10月~2015年8月までに施行した749例を、プロクタリング期間とその後の独立期間に施行した症例に分けて比較した。一次評価項目であるVARC-2基準における30日のEarly safety endpointは、経心尖部(TA)-TAVIにおいては、プロクタリング期間に比較し、独立後で有意に低くかったが(21% vs. 38%, p=0.031)、経大腿動脈(TF)-TAVIにおいては、一時評価項目に差は認められず(17% vs. 13%, p=0.283)、30日以内の死亡はプロクタリング期間中、一例も認めなかった。傾向スコア調整を行い比較したところ、独立後は、TA-TAVIにおいては、Life-threaten bleedingの低減 (4.0 vs. 25%, p = 0.026)が認められ、TF-TAVIでは手技時間の短縮 (88 ± 43 vs. 102 ± 36 min, p = 0.004)が認められた。本邦独自のプロクタリング制度の下、臨床成績及び技術的な改善がみとめられ、特にTFにおいて導入初期成績は良好であった。TF,TAといった手技の違いにより、ラーニングカーブの急峻性が異なることが分かった。本研究におけるプロクタリング制度の検証は、今後の新しい医療機器導入を安全に普及させるうえでの参考になると思われた。
Author :
Yamawaki M, Iwasaki K, Araki M, Ito T, Ito Y, Tada N, Takagi K, Yamanaka F, Watanabe Y, Yamamoto M, Shirai S, Hayashida K; OCEAN-TAVI Registry. Heart Vessels. 2018;33:630-639.

2018年

Title :
Impact of HAS-BLED Score to Predict Trans Femoral Transcatheter Aortic Valve Replacement Outcomes
HAS-BLEDスコアがTAVI後の予後予測因子になるか?
About :
HAS-BLEDスコアは抗凝固療法を行う心房細動患者における出血のリスクを予測するスコアリングシステムであるが、カテーテルインターベンションを受けた患者の予後を予測するという報告もある。今回は、HAS-BLEDスコアが日本におけるTAVI患者の予後にどう関わっているかを検討した。今回の検討ではOCEAN-TAVIレジストリーに登録した経大腿動脈アプローチでTAVIを行った969例を解析し、エンドポイントは重度の出血、死亡とした。重度の出血、死亡の割合はそれぞれ18.2%と6.8%であった。出血は穿刺部、消化管出血、心タンポナーデの順に多く、死亡の原因は6割程度が非心臓死であった。多変量解析の結果、HAS-BLEDスコアは出血、死亡の独立した予測因子となった。また、ROC解析ではHAS-BLEDスコア4がカットオフであった。以上の結果からHAS-BLEDスコアが4を超える患者においてはTAVI後の重度の出血、死亡が多いということが確認された。
Author :
Yohsuke Honda, Masahiro Yamawaki, Motoharu Araki, Norio Tada, Toru Naganuma, Futoshi Yamanaka , Yusuke Watanabe, Masanori Yamamoto , Shinichi Shirai , Kentaro Hayashida , OCEAN-TAVI investigators. Catheter Cardiovasc Interv. 2018;92:1387-1396.

2018年

Title :
Safety and efficacy of minimalist approach in transfemoral transcatheter aortic valve replacement: insights from the Optimized transCathEter vAlvular interventioN-Transcatheter Aortic Valve Implantation (OCEAN-TAVI) registry
低侵襲大腿動脈アプローチTAVIの安全性と有効性に関する検討
About :
これまでTAVIは全身麻酔下に人工呼吸器を装着して手技を行っていたが、近年では局所麻酔に鎮静薬を加えた非人工呼吸器管理下で手技を行う低侵襲TAVIの機会が増えつつある。今回我々は日本でTAVIを施行された全921例の患者のうち、低侵襲TAVIを行った患者118症例と全身麻酔TAVIを行った患者802例との予後をを比較検討した。結果、院内死亡、脳梗塞の発症頻度は両群で変わらなかったが、生命に関わる大出血イベントと輸血に関しては低侵襲TAVI群で有意に低かった。結果、低侵襲TAVIは全身麻酔TAVIと比較しても有用な治療方法であることが示された。
Author :
Hosoba S, Yamamoto M, Shioda K, Sago M, Koyama Y, Shimura T, Kagase A, Tada N, Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K. Safety and efficacy of minimalist approach in transfemoral transcatheter aortic valve replacement: insights from the Optimized transCathEter vAlvular interventioN-Transcatheter Aortic Valve Implantation (OCEAN-TAVI) registry. Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2018 Mar 1;26(3):420-424.
細羽 Dr.

2018年

Title :
Importance of Geriatric Nutritional Risk Index assessment in patients undergoing transcatheter aortic valve replacement
AVI患者におけるGNRIを使用した栄養状態の評価の重要性に関する検討
About :
栄養状態というのは患者のフレイルを構成する項目の1つである。また、GNRIは栄養状態を評価する代表的な項目である。この試験では、GNRIがTAVI後患者に与える影響について検討した。1613人のTAVIを行った患者をGNRI≥92、GNRI 82-92、GNRI≤82の3群に分類して予後を検討した。また、他のフレイルマーカーである、握力、歩行速度、CFSと手術リスクスコアであるSTSの関連性に関しても検討した。結果、GNRIが低下するほど予後は悪化した。また、GNRI 82-92、GNRI≤82は独立した予後増悪因子だった。加えてGNRIは他のフレイルマーカーやSTSスコアと相関していることが分かった。
Author :
Shibata K, Yamamoto M, Kano S, Koyama Y, Shimura T, Kagase A, Yamada S, Kobayashi T, Tada N, Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Mizutani K, Tabata M, Ueno H, Takagi K, Higashimori A, Watanabe Y, Otsuka T, Hayashida K; on the behalf of OCEAN-TAVI investigators. Importance of Geriatric Nutritional Risk Index assessment in patients undergoing transcatheter aortic valve replacement. Am Heart J. 2018 Aug;202:68-75.
柴田 Dr.

2018年

Title :
Patients Refusing Transcatheter Aortic Valve Replacement Even Once Have Poorer Clinical Outcomes
TAVI治療の施行を1回以上拒否した患者における予後の検討
About :
TAVIを1度でも拒否したことがある患者は、治療の至適時期を逃す可能性がある。しかし、至適時期を逃すことが予後に影響するかに関してははっきりしていなかった。この研究ではTAVIを1度以上拒否した患者と拒否していない患者の2群に振り分けて予後に関して検討している。結果、TAVIを1度以上拒否したことがある患者群において有意に予後が悪いことが指摘された。
Author :
Shimura T, Yamamoto M, Kano S, Hosoba S, Sago M, Kagase A, Koyama Y, Tsujimoto S, Otsuka T, Tada N, Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Mizutani K, Tabata M, Ueno H, Takagi K, Higashimori A, Watanabe Y, Hayashida K; OCEAN‐TAVI Investigators. Patients Refusing Transcatheter Aortic Valve Replacement Even Once Have Poorer Clinical Outcomes. J Am Heart Assoc. 2018 Sep 18;7(18):e009195.
志村 Dr.

2018年

Title :
Impact of pre-procedural hyponatremia on clinical outcomes after transcatheter aortic valve replacement: A propensity-matched analysis
術前の低ナトリウム血症がTAVI患者の予後に与える影響
About :
低Na血症は心疾患を有す患者において慢性期の予後増悪因子であることが知られている。この試験では低Na血症がTAVI後患者に与える影響に関して検討した。TAVI後の1215症例を血清Na≤135mEq/Lの低Na血症群と通常Na血症群の2群に分類して予後を検討した結果、低Na血症群で予後が有意に悪かった。また、患者背景を補正したPropensity score matched分析でも低Na群の予後が悪かった。
Author :
Kagase A, Yamamoto M, Shimura T, Kodama A, Kano S, Koyama Y, Tada N, Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K. Impact of pre-procedural hyponatremia on clinical outcomes after transcatheter aortic valve replacement: A propensity-matched analysis. Catheter Cardiovasc Interv. 2018 Aug 1;92(2):E125-E134.
加賀瀬 Dr.

2018年

Title :
Gender-specific grip strength after transcatheter aortic valve replacement in elderly patients
性別ごとにみた握力がTAVI後高齢者の予後に与える影響
About :
虚弱度を評価する項目の中に筋力が含まれている。今回はこの筋力を握力で代用してTAVI後患者の予後に与える影響を検討した。握力に関してOCEAN-TAVIレジストリーに登録された全1215症例からTAVI前に握力を計測できなかった計288例を除外した927例について検討した。性別により握力の分布が大きく異なることから、男性と女性に分けて比較検討を行った。統計的な手法として生命予後を予測する至適カットオフ値を算出するsurvival CARTを使用すると、予後を規定する握力の値として、男性26.0㎏、女性12.1㎏と求められた。これらの数値を使用して、性別ごとに2群間に分類し、予後に関して比較検討した。全死亡において男女両群で低握力群が高握力群と比較して予後が悪いことが証明された。一方で、心臓死に限定すると予後に有意差を認めなかったが、非心臓死においては有意差を認めた。握力の強弱は、術後1年の生命予後を規定する因子であり、死因としては性別関係なく、非心臓死で顕著となることが分かった。
Author :
Kagase A, Yamamoto M, Shimura T, Kano S, Tsuzuki M, Kodama A, Koyama Y, Shibata K, Hara M, Tada N, Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K. Gender-specific grip strength after transcatheter aortic valve replacement in elderly patients. JACC Cardiovasc Interv. 2018 Jan 8;11(1):100-101.
加賀瀬 Dr.

2018年

Title :
Reasons for Not Performing Low-Dose Dobutamine Stress Echocardiography in Patients with Classical Low-Flow, Low-Gradient Severe Aortic Stenosis Before Transcatheter Aortic Valve Replacement: The Optimized Transcatheter Valvular Intervention-Transcatheter Aortic Valve Implantation Registry.
左室低駆出率を伴う低流量低圧較差―重度大動脈弁狭窄症に対してTAVI前にドブタミン負荷心エコー検査を行わない理由
About :
TAVIは外科的大動脈弁置換術と比較して低侵襲な治療であり、左室駆出率の低下した低流量低圧較差―重度大動脈弁狭窄症患者においてドブタミン負荷心エコーによる左室収縮予備能の有無にかかわらず生命予後改善と心機能回復が得られるという報告がある。したがって、外科的大動脈弁置換術の時代と違いTAVI時代にはドブタミン負荷心エコーによる心筋予備能の評価は無視でき、心筋予備能がないからといってTAVIを行わず内科的保存治療になるとは限らないと筆者は考える。
このことを考えてか本邦の日常診療でこのドブタミン負荷心エコーはTAVI術前に必ずしも行われない現状がある。そこでOCEANレジストリー参加14施設1613例のTAVI症例から109例左室低駆出率を伴う低流量低圧較差重度大動脈弁狭窄症について調査した。結果、22%しかTAVI前にドブタミン負荷心エコーを行っておらず、行わなかった理由として他の画像診断法で代替したためが、64%と一番多く、次いで患者の状態が悪いためが25%であった。
Author :
Kataoka A, Watanabe Y, Shibayama K, Mizutani K, Naganura T, Higashimori A, Ueno H, Yamanaka F, Takagi K, Araki M, Tada N, Shirai S, Yamamoto M, Hayashida K; OCEAN-TAVI Investigators. J Am Soc Echocardiogr. 2018;31:1366-1368.
片岡明久 Dr.

2018年

Title :
Prognostic Impact of Low-Flow Severe Aortic Stenosis in Small-Body Patients Undergoing TAVR: The OCEAN-TAVI Registry.
体格の小さい奇異性低流量低圧較差重症大動脈弁狭窄症のTAVI後の予後
About :
欧米のコンセンサスと反対に体格が小さい日本人では、奇異性低流量低圧較差―重症大動脈弁狭窄症の自然歴は良いとされていて、専門家のなかでもどのような病態であるか分かっていなかった。そこで、OCEAN-TAVIレジストリーに登録された723名の経皮的大動脈弁留置術を施行した体格の小さい日本人の高齢者のコホートで、奇異性低流量低圧較差―重症大動脈弁狭窄症患者の予後を調査した。
結果、日本人のコホートでの奇異性低流量低圧較差―重症大動脈弁狭窄症は、既知の欧米のエビデンスと同様に、経皮的大動脈弁留置術を施行しても、通常流量高圧較差―重症大動脈弁狭窄症と比較して中期的予後が悪い結果だった。また、低流量は手術後の心血管死亡の独立した予測因子でもあった。さらに全死亡、心血管死亡を予測する低流量の定義である拍出係数は35.3 ml/m2未満であり、欧米のガイドラインが推奨する35 ml/m2未満は体格の小さな日本人にも適切であると考えられた。
 奇異性低流量低圧較差―重症大動脈弁狭窄症と一概には言っても幅が広く、経皮的大動脈弁留置術の適応となるようなより重症の病態では、求心性肥大を呈している割合が多く、大動脈弁狭窄症解除後も左室駆出率が保持された心不全状態と考えられる。そのため、術後も厳密な内科的な管理が必要であると考えられた。
Author :
Kataoka A, Watanabe Y, Kozuma K, Nara Y, Nagura F, Kawashima H, Hioki H, Nakashima M, Yamamoto M, Takagi K, Araki M, Tada N, Shirai S, Yamanaka F, Hayashida K; OCEAN-TAVI Investigators. JACC Cardiovasc Imaging.2018;11:659-669.
片岡明久 Dr.

2018年

Title :
アジア人におけるTAVI後のProsthesis–Patient Mismatch
About :
大きい体表面積(BSA: Body surface area)と小さい大動脈弁輪はProsthesis–Patient Mismatch (PPM) の主要なリスク因子である。アジア人はコーカサス人と比較し、BSA及び大動脈弁輪が小さい。本研究では日本の多施設共同レジストリーデータを用いて、アジア人におけるTAVI後のPPMを調査した。本コホートにおけるTAVI後のPPMの頻度は9.8%であった。内訳は中等度PPMが8.9%, 重度PPMが0.7% であった。BSAの中央値は1.41 m2 (四分位範囲: 1.30 to 1.53 m2)であった。多変量解析によるとPPMのリスク因子は若年、大きいBSA、小さい大動脈弁輪、後拡張未施行であった。特に大きいBSAと小さい大動脈弁輪を持つ患者にPPMが高頻度に認められた。PPM群と非PPM群では1年死亡率に差を認めなかった。欧米の報告と比較して、本研究のPPMの頻度は低く、特に重度PPMが少なかった。本研究結果はアジア人のTAVI後のPPMは欧米人のそれと比較すると問題とならないことを示唆しているが、長期成績は不明である。今後の研究が求められる。
Author :
Masaki Miyasaka, Norio Tada, Masataka Taguri, Shigeaki Kato, Yusuke Enta, Tatsushi Otomo, Masaki Hata, Yusuke Watanabe, Toru Naganuma, Motoharu Araki, Futoshi Yamanaka, Shinichi Shirai, Hiroshi Ueno, Kazuki Mizutani, Minoru Tabata, Akihiro Higashimori, Kensuke Takagi, Masanori Yamamoto, Kentaro Hayashida and on behalf of the OCEAN-TAVI Investigators. JACC Cardiovasc Interv. 2018 Apr 23;11(8):771-780.
宮坂 Dr.

2018年

Title :
Effect of Serum C-Reactive Protein to Predict Mortality After Transcatheter Aortic Valve Implantation
CRPとTAVI後の予後の検討
About :
CRP値は炎症反応の関連する慢性疾患において予後との関連が指摘されている。病理学的な検討よりASの進行は以前から慢性炎症との関係性が指摘されているが、TAVI患者の予後とCRP値との関連は報告されていない。OCEAN-TAVIレジストリーの1613例のうちCRPデータが入院時に取られていた1554例を入院時CRP値の中央値を基に2群へ分類した。結果、CRP高値の群では有意に死亡率がCRP低値群よりも多い結果であった。Time dependent Cox regression analysisの結果からは、入院時CRPの死亡に与える影響はTAVI後3か月が主でありその後は入院時CRP高値の影響は小さくなることが分かった。本研究は、入院時のCRP値はTAVI後比較的早期の予後予測因子であることを報告した。
Author :
Hioki H, Watanabe Y, Kozuma K, Yamamoto M, Naganuma T, Takagi K, Araki M, Tada N, Yamanaka F, Shirai S, Higashimori A, Mizutani K, Tabata M, Takagi K, Ueno H, Hayashida K. Effect of Serum C-Reactive Protein to Predict Mortality After Transcatheter Aortic Valve Implantation. Am J Cardiol 2018;122:294-301.
日置紘文 Dr.

2018年

Title :
Risk stratification using lean body mass in patients undergoing transcatheter aortic valve replacement
除脂肪体重がTAVI後の予後に与える影響
About :
これまでにBMIは予後と相関することが報告されているが、年齢・性別・人種でBMIと予後の関係性が異なる事も報告されている。高齢者においてはBMIではなく骨格筋量が予後と関連することが報告されているがTAVI患者における骨格筋量と予後の関連についてはいまだ報告がない。除脂肪体重(Lean body mass index; LBMI)は全体重から脂肪量を引いたもので主に筋肉や骨格の量を反映するsurrogate markerとされており、今回このLBMIとTAVI後の死亡発生率について検討を行った。OCEAN-TAVIレジストリーの1613例を用いて、入院時の身長・体重からLBMIを計算し、中央値で2群に区分した。結果、LBMIの高い群(=筋肉・骨量が多い群)でLBMIの引く患者に比較して有意に死亡率は低く、これは男性・女性ともに同じ傾向であった。一方で、同じ患者群をBMIで低体重(BMI <20)とそうでない群に分けたときに女性ではBMIと死亡の関連性が認めらなかった。多変量解析でも、LBMIは男女ともに独立した予後規定因子であるのに対して、BMIは女性では予後予測因子とはならなかった。本研究より、BMIよりも筋肉や骨格量を考慮した指標によるリスク層別化がTAVI患者においてより有用である可能性が示せた。
Author :
Hioki H, Watanabe Y, Kozuma K, Yamamoto M, Naganuma T, Takagi K, Araki M, Tada N, Yamanaka F, Shirai S, Higashimori A, Mizutani K, Tabata M, Takagi K, Ueno H, Hayashida K. Risk stratification using lean body mass in patients undergoing transcatheter aortic valve replacement. Catheterization and Cardiovascular Intervention 2018;92:1365-1373.
日置紘文 Dr.

2018年

Title :
Comparison of midterm outcomes of transcatheter aortic valve implantation in patients with and without previous coronary artery bypass grafting
冠動脈バイパス術歴のある患者におけるtransfemoral-transcatheter aortic valve implantation施行後の中期予後
About :
冠動脈バイパス術(CABG)歴のある患者におけるtransfemoral-transcatheter aortic valve implantation(TAVI)施行後の中期的な有効性のエビデンスは十分でなかった。多施設レジストリー(Optimized CathEter vAlvular iNtervention [OCEAN]-TAVI registry)のデータを用いて、2013年10月から2016年7月にTAVIを施行した1613患者における、CABG歴あり(n=120)とCABG歴なし(n=1493)のクリニカルアウトカムをpropensity score matchingを用いて比較した。Propensity matching後、両群はそれぞれ118人となり、患者背景の差はmatchされた。Cardiovascular deathとheart failureはCABG歴のある患者群で有意に多かった(11.9% vs 3.4%; p=0.03 and 8.5% vs 1.7%; p=0.04, respectively)。TAVI後の心不全管理が中期予後の改善に重要であると結論した。
Author :
Kawashima H, Watanabe Y, Kozuma K, Kataoka A, Nakashima M, Hioki H, Nagura F, Nara Y, Shirai S, Tada N, Araki M, Naganuma T, Yamanaka F, Ueno H, Tabata M, Mizutani K, Higashimori A, Takagi K, Yamamoto M, Hayashida K; OCEAN-TAVI Investigators.
Heart Vessels. 2018 Oct;33(10):1229-1237. doi: 10.1007/s00380-018-1166-9. Epub 2018 Apr 21.
PMID: 29680865
川嶋秀幸 Dr.

2018年

Title :
Frequency and Consequences of Cognitive Impairment in Patients Underwent Transcatheter Aortic Valve Implantation
TAVI患者において認知機能低下がみられる頻度とその影響
About :
TAVI患者は高齢なケースが多く、全人的な治療を施す上で、認知機能低下が術後アウトカムもたらす影響を知ることは重要である。我々はOCEAN-TAVIレジストリーの患者1111名(年齢70歳以上)のデータを解析した。その全ての患者において、TAVI術前にMMSE(Mini-Mental State Examination
)を用いた認知機能評価を行った。認知機能低下(MMSE <25)は38%の患者にみられ、認知機能が正常な患者と比べ、術後1年時点で、全死亡(14% vs. 8%, p = 0.001)および非心血管死亡率が高かった(11% vs. 5%, p <0.001)。また、認知機能低下を伴う患者は敗血症による死亡リスクが高かった(2% vs. 0.4%; ハザード比, 4.2; 95%信頼区間, 1.3 to 13.5; p = 0.02)。また、術後の入院期間延長、大出血、血管合併症、急性腎障害などのイベントが多くみられたが、術後30日の死亡率は、認知機能が正常な患者群と比して差がみられなかった(両群ともに1%, p >0.99)。調整モデルにおいて、MMSE <25の認知機能低下は、TAVI1年後死亡の独立した予測因子であった。
Author :
Ryo Yanagisawa, Makoto Tanaka, Fumiaki Yashima, Takahide Arai, Takashi Kohno, Hideyuki Shimizu, Keiichi Fukuda, Toru Naganuma, Kazuki Mizutani, Motoharu Araki, Norio Tada, Futoshi Yamanaka, Shinichi Shirai, Minoru Tabata, Hiroshi Ueno, Kensuke Takagi, Akihiro Higashimori, Yusuke Watanabe, Masanori Yamamoto, Kentaro Hayashida. Frequency and Consequences of Cognitive Impairment in Patients Underwent Transcatheter Aortic Valve Implantation. Am J Cardiol. 2018;122(5):844-850. doi: 10.1016/j.amjcard.2018.05.026. Epub 2018 Jun 2.
柳澤 Dr.

2017年

2017年

Title :
Can we perform rotational atherectomy in patients with severe aortic stenosis? Substudy from the OCEAN TAVI Registry
About :
TAVI前に冠動脈治療が必要であると判断した場合に悩ましいのが、高度石灰化を伴う冠動脈病変をどのようにPCIするか、である。そもそも糖尿病など多数の併存疾患を有している患者の年季が入った病変であり、debulkingが必要となり得る。一般的に高度石灰化病変に対しては、rotational atherectomy(RA)や特殊なバルン(cuttingやscoring balloon)が選択される。特殊な施設ではエキシマレーザーも選択肢に挙がるが一般的とは言えない。最も現実的な選択肢はRAであるが、術中のslow flowにより血行動態が不安定となることが予想され、重症AS患者においては使用を躊躇するオペレータが多いであろう。TAVIが登場するまでは、重症ASと重症冠動脈病変を併せ持つ患者は、外科的弁置換術+冠動脈バイパス術を受けており(もしくはいずれも保存的加療)、重症ASの存在下でのRAの有用性・安全性についての文献はこれまで症例報告しかなかった。われわれOCEANグループは、TAVI前にRAを用いてPCIを施行した患者群についてデータを解析し報告した。メカニカルサポート、及び、薬剤サポート(カテコラミンによる昇圧やニトロプルシド冠注による冠血流改善)下に、日本人の十八番である血管内イメージングを用いて造影剤量を最小限にしながら、RA PCIを成功させることができる。Retrospectiveかつsingle armの研究であるが、重症AS患者におけるRAについての世界初のまとまった報告である(この類の研究は、RCTは現実的ではない)。
Author :
Naganuma T, Kawamoto H, Takagi K, Yabushita H, Mitomo S, Watanabe Y, Shirai S, Araki M, Tada N, Yamanaka F, Yamamoto M, Onishi H, Nakamura S, Higashimori A, Tabata M, Mizutani K, Ueno H, Hayashida K. Can we perform rotational atherectomy in patients with severe aortic stenosis? Substudy from the OCEAN TAVI Registry. Cardiovasc Revasc Med. 2017 Jul-Aug;18(5):356-360. doi: 10.1016/j.carrev.2017.02.018. Epub 2017 Feb 28.
長沼 Dr.

2017年

Title :
Comparative data of single versus double proglide vascular preclose technique after percutaneous transfemoral transcatheter aortic valve implantation from the optimized catheter valvular intervention (OCEAN-TAVI) japanese multicenter registry
止血デバイス1本による止血と2本を使用した際の止血状況に関する比較検討試験
About :
経皮的大腿動脈アプローチTAVI(TF-TAVI)の止血で止血デバイス(Perclose Proglide)を2本使用することが出血合併症予防の点で有効とされている。しかし、止血デバイスの複数使用は術後の穿刺部狭窄や閉塞のリスクもあり、止血デバイス1本による止血も安全面で問題ないとする報告もある。今回我々はOCEAN-TAVIレジストリーから経皮的TF-TAVIを行った全279症例を、止血デバイス1本で止血した群、及び2本で止血した群に分類し、安全性と有効性に関して検討した。血管合併症、出血合併症、及びその他の手技に伴う合併症の定義はVARC-2 criteriaに準じて定義した。止血デバイス成功、アクセス血管合併症は2群間で有意差を認めず、出血合併症に関しても同様であった。30日死亡率は両群間で有意差を認めず、止血不良と死因とは関連しなかった。また、同様の比較試験は患者背景を一致させるプロペンシティー・マッチング処理後にも行われたが、結果に変化は認めなかった。止血デバイス1本での止血成績は2本使用と比較して非劣性であり、医療経済の観点からは1本使用が2本使用に比較して優れる。
Author :
Kodama A, Yamamoto M, Shimura T, Kagase A, Koyama Y, Tada N, Takagi K, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K. Comparative data of single versus double proglide vascular preclose technique after percutaneous transfemoral transcatheter aortic valve implantation from the optimized catheter valvular intervention (OCEAN-TAVI) japanese multicenter registry. Catheter Cardiovasc Interv. 2017 Sep 1;90(3):E55-E62.

2017年

Title :
Gait speed can predict advanced clinical outcomes in patients who undergo transcatheter aortic valve replacement: Insights from a Japanese multicenter registry
歩行速度はTAVI後慢性期の患者予後を予測する
About :
運動機能は高齢患者の虚弱度を評価するうえで重要な項目である。我々は運動機能を歩行速度で代用して、TAVI後患者の予後に与える影響について検討した。OCEAN-TAVIレジストリーから全1613例のデータを使用して、歩行速度を測定できなかった計357例を除外した1256例で、従来から使用されている歩行速度の分類(normal:slow:slowest : unable to walk)での4群比較を行った。その結果、4群比較で、歩行速度が遅くなるごとに死亡率が上昇することが確認され、歩行速度も予後の層別化に有用な指標であることが示唆された。特に、歩行できない群の1年死亡率が40%以上であることは、このような症例に対するTAVIの治療方針決定に際して慎重に議論する必要性を喚起するものと考える。
Author :
Kano S, Yamamoto M, Shimura T, Kagase A, Tsuzuki M, Kodama A, Koyama Y, Kobayashi T, Shibata K, Tada N, Naganuma T, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Mizutani K, Tabata M, Ueno H, Takagi K, Higashimori A, Otsuka T, Watanabe Y, Hayashida K. Gait speed can predict advanced clinical outcomes in patients who undergo transcatheter aortic valve replacement: Insights from a Japanese multicenter registry. Circ Cardiovasc Interv. 2017 Sep;10(9):e005088.
加納 Dr.

2017年

Title :
The incidence, predictive factors and prognosis of acute pulmonary complications after transcatheter aortic valve implantation
AVI後、急性期呼吸器合併症の発症頻度、予測因子と発症者の予後に関する検討
About :
TAVI後急性期に呼吸器合併症を発症する症例が存在する。この急性期呼吸器合併症はその原因、予測因子、予後など、不明な点が多い。今回我々は、OCEAN-TAVIレジストリー、全749症例のデータを使用して、急性期呼吸器合併症の頻度、予測因子、予後に与える影響に関して検討した。急性期呼吸器合併症は基礎呼吸器疾患の急性増悪、および入院中に発生した新規呼吸器疾患と定義した。患者は発症群と非発症群で分類し、患者背景、周術期経過、予後に関して比較検討を行った。結果、急性期呼吸器合併症を発症した症例は全体の1.5%で、発症群において30日死亡率は27.3%、さらに累積1年死亡率は72.7%といずれも非発症群に比較して有意に高かった。予測因子は単変量解析の結果、基礎呼吸器疾患の罹患と心尖部アプローチTAVIであった。急性呼吸器合併症は発症頻度の低い合併症であるが、患者の生命予後に甚大な影響を与える。
Author :
Shimura T, Yamamoto M, Kagase A, Kodama A, Kano S, Koyama Y, Tada N, Takagi K, Araki M, Yamanaka F, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K. The incidence, predictive factors and prognosis of acute pulmonary complications after transcatheter aortic valve implantation. Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2017; 25: 191-197.
志村 Dr.

2017年

Title :
Impact of the clinical frailty scale on outcomes after transcatheter aortic valve replacement
クリニカルフレイリティ―スケールがTAVI患者の結果に与える影響
About :
高齢患者が多いTAVI患者において、虚弱度は手術リスクの層別化を図るうえで重要な項目である。虚弱度は様々な項目から評価され、活動性もその中の一つである。今回我々はTAVI前患者の活動性に着目し、これをClinical Frailty Scale(CFS)で判定し、TAVI術後に与える影響に関して検討した。CFSは、活動性や全身状態を容姿と問診から9つの段階に分類する簡易スケールである。専門的知識が不要な主観的評価方法だが、高齢者の予後を評価する有用な指標であることが報告されている。TAVI術前に患者をCFSで評価し、CFS 1-3、CFS 4、CFS 5、CFS 6、CFS≧7の5群に分類して、予後に関する比較検討を行った。結果、CFSカテゴリーが上昇するごとに階段状に予後が悪化し、TAVIのコホートにおいても、CFSを用いた術前患者の活動性の評価が重要であることが確認された。特にCFS≧7のグループで1年死亡率が40%以上であることは、TAVIの適応を考えるうえで重要な情報となる。また、CFSは主観的な評価方法だが、他の客観的に評価するフレイル項目とも有意な相関を示した。また、主に容姿と問診から評価するため、欠損値は存在せず、この点に他のフレイル項目と比較して有用であることが示された。主観的で半定量的な評価項目であるCFSだが、定量的な指標と高い相関関係を示す正確な予後予測因子であるため、術前評価の意義は高いと考えられた。
Author :
Shimura T, Yamamoto M, Kano S, Kagase A, Kodama A, Koyama Y, Tsuchikane E, Suzuki T, Otsuka T, Kohsaka S, Tada N, Yamanaka F, Naganuma T, Araki M, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K; OCEAN-TAVI Investigators. Impact of the clinical frailty scale on outcomes after transcatheter aortic valve replacement. Circulation. 2017; 135: 2013-2024.
志村 Dr.

2017年

Title :
Prognostic value of hypoalbuminemia after transcatheter aortic valve implantation
血清アルブミン値がTAVI後患者の予後に与える影響
About :
近年、外科手術リスクスコア以外に、患者の脆弱性がTAVI後患者の予後に影響していることが示されている。今回は、その脆弱性の中から栄養状態を示す項目として、血清アルブミン値に関して検討した。血清アルブミン値 3.5g/dL未満(低アルブミン血症)は低栄養状態を示すマーカーの一つであることが国際的にも知られている。OCEAN-TAVIレジストリーに登録された全1215例をアルブミン値が3.5g/dL以上(高アルブミン群)および、3.5g/dL未満(低アルブミン群)の2群に分けて予後と死亡リスク因子に関して比較した。結果、低アルブミン群は高アルブミン群に比べて明らかに予後が不良であった。また、血清アルブミン値は腎機能、肝機能、悪性腫瘍の有無などにより数値が大きく変化するため、患者背景を補正するプロペンシティー・マッチングによる処理を行ったが、この場合も低アルブミン群の予後は有意差をもって不良であった。以上の結果から低アルブミン血症はTAVI後患者の予後を左右する重要な因子であることが確認された。
Author :
Yamamoto M, Shimura T, Kano S, Kagase A, Kodama A, Sago M, Tsunaki T, Koyama Y, Tada N, Yamanaka F, Naganuma T, Araki M, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K. Prognostic value of hypoalbuminemia after transcatheter aortic valve implantation (from the Japanese Multicenter OCEAN-TAVI Registry). Am J Cardiol. 2017; 119: 770-777.
山本 Dr.

2017年

Title :
Transcatheter aortic valve implantation in patients with an extremely small native aortic annulus
20mm人工弁を用いた狭小弁輪におけるTAVIの有効性
About :
日本人では、欧米諸国に比較し、体格が小さく、弁輪径も小さい。そのため、適合する人工弁サイズも小さく、欧米ではほとんど使用されない20mmサイズの人工弁が必要となることがある。20mmサイズの人工弁では、PPM(prosthesis-patient mismatch: 人工弁-患者 不適合)や残存圧較差が懸念される。狭小弁輪への20mmサイズの人工弁を用いたTAVIのデータは乏しく、安全性・有効性の確認が必要とされた。そのため、本研究では、狭小弁輪における20mm弁と23mm弁での比較を行った。20mm弁では、拡張が小さく、圧較差が軽度上昇し、有効弁口面積が小さかった。しかし、どの患者も無症状で、重度のPPMには差は認めず、限られた人工弁サイズ選択が余儀なくされる狭小弁輪では、臨床的にはacceptableな結果であった。
Author :
Yashima F, Yamamoto M, Tanaka M, Yanagisawa R, Arai T, Shimizu H, Fukuda K, Watanabe Y, Naganuma T, Shirai S, Araki M, Tada N, Yamanaka F, Hayashida K; Transcatheter aortic valve implantation in patients with an extremely small native aortic annulus: The OCEAN-TAVI registry. Int J Cardiol. 2017; 240:126-131.
八島 Dr.

2017年

Title :
Timing of Susceptibility to Mortality and Heart Failure in Patients with Pre-existing Atrial Fibrillation After Transcatheter Aortic Valve Implantation
TAVI患者における術前AFが全死亡・心不全入院に及ぼす影響
About :
TAVI患者における術前の心調律とTAVI後の予後については不明な点も多い。洞調律と比べ術前から存在する心房細動(AF)・新規AFが予後にどのような影響及ぼすかを検討するために、1124例を対象に全死亡・TAVI後の心不全再入院数を評価した。結果、洞調律と比較し術前から存在するAFは全死亡・心不全再入院いずれも有意に増加させる増加させる結果であった。また、TAVI後半年で区切ったLandmark解析では、術前AFが全死亡に与える影響はTAVI後半年以降に多く、心不全再入院に与える影響はTAVI後半年以内が多いことが判明した。TAVI後の患者管理において、特に全死亡および心不全の予測に術前AFの評価をしておくことは臨床的に有用であることが示せた。
Author :
Hioki H, Watanabe Y, Kozuma K, Nara Y, Kawashima H, Kataoka A, Yamamoto M, Takagi K, Araki M, Tada N, Yamanak F, Shirai S, Hayashida K. Timing of Susceptibility to Mortality and Heart Failure in Patients with Pre-existing Atrial Fibrillation After Transcatheter Aortic Valve Implantation. Am J Cardiol 2017;120:1618-1625.
日置紘文 Dr.

2017年

Title :
Pre-procedural dual antiplatelet therapy in patients undergoing transcatheter aortic valve implantation increases risk of bleeding
TAVI術前に開始したDAPTが周術期の出血合併症に与える影響
About :
TAVI術前よりDAPTを開始することがTAVI初期から慣例的に行われてきた抗血栓療法であったが術前DAPTの有効性を検討した報告はない。このため、OCEAN-TAVIレジストリデータを用いて大腿動脈アプローチでTAVIを行った540例を周術期出血合併症の有無で2群へ分けて患者背景ならびに出血合併症予後予測因子を検討した。多変量解析の結果、TAVI術前からDAPTを開始することは周術期出血合併症の独立した予後予測因子であり、DAPTの使用は周術期の塞栓症イベント低減には寄与していないことが結果として得られた。慣例的に行われているTAVI術前からのDAPTは必ずしも必要な抗血栓療法ではなく、高出血リスクの患者においては抗血小板剤単剤なども考慮できる可能性が示せた。
Author :
Hioki H, Watanabe Y, Kozuma K, Nara Y, Kawashima H, Kataoka A, Yamamoto M, Takagi K, Araki M, Tada N, Yamanak F, Shirai S, Hayashida K. Pre-procedural dual antiplatelet therapy in patients undergoing transcatheter aortic valve implantation increases risk of bleeding. Heart 2017;103:361-367.
日置紘文 Dr.

2017年

Title :
Propensity-matched comparison of percutaneous and surgical cut-down approaches in transfemoral transcatheter aortic valve implantation using a balloon-expandable valve
バルーン拡張型バルブを使用したtransfemoral-transcatheter aortic valve implantationにおける経皮的アプローチと外科的アプローチの比較
About :
経皮的アプローチを用いたtransfemoral-transcatheter aortic valve implantation (TF-TAVI)の有効性のエビデンスは十分でなかった。多施設レジストリー(Optimized CathEter vAlvular iNtervention [OCEAN]-TAVI registry)のデータを用いて、2013年10月から2015年7月にTAVIを施行した586患者における、バルーン拡張型バルブを使用したTF-TAVIの経皮的アプローチ(n=305)と外科的アプローチ(n=281)のクリニカルアウトカムをpropensity score matchingを用いて比較した。Propensity matching後、両群はそれぞれ166人となり、患者背景の差はmatchされた。The Valve Academic Research Consortium-2 criteriaで定義されたmajor vascular complications, major bleeding, and acute kidney injuryは経皮的アプローチで有意に少なかった(15.1% vs 27.1%; p<0.01, 7.2% vs 16.9%; p=0.01, and 6.0% vs 15.1%; p<0.01, respectively)。外科的アプローチと比較し、バルーン拡張型バルブを使用した経皮的アプローチのTF-TAVIは有効性を示した。
Author :
Kawashima H, Watanabe Y, Kozuma K, Nara Y, Hioki H, Kataoka A, Yamamoto M, Takagi K, Araki M, Tada N, Shirai S, Yamanaka F, Hayashida K.
EuroIntervention. 2017 Mar 20;12(16):1954-1961. doi: 10.4244/EIJ-D-16-00408.
PMID: 27746402
川嶋秀幸 Dr.

2017年

Title :
Incidence, Predictors, and Mid-Term Outcomes of Percutaneous Closure Failure After Transfemoral Aortic Valve Implantation Using an Expandable Sheath (from the Optimized Transcatheter Valvular Intervention [OCEAN-TAVI] Registry
大腿動脈アプローチTAVIにおける経皮的止血デバイス失敗の発生率と予測因子と中期的予後
About :
TAVI弁であるsapienXTを留置してくる際はエクスパンダブルシースと呼ばれる弁が通過する際に広がるシースを使用するが、シースを抜去する際にPerclose ProGlideと呼ばれる経皮的止血デバイスを用いる。血管合併症のひとつとしてこの経皮的止血デバイスの失敗がある。OCEAN-TAVI registryにおける経皮的止血デバイス失敗の発生率と、その失敗が予後に与える影響、失敗の予測因子を検討した。1215症例の患者がTAVIを行い登録されており、その中で478症例が経大腿動脈アプローチにてSapineXTとエクスパンダブルシース、Perclose ProGlideを使用した。経皮的止血デバイス失敗は36症例で発生し、発生率は8%程度であった。予測因子としてシースと最少血管径の比率が独立した予測因子と算出され、その比率が1上昇するごとに発生率は5.40倍となった。経皮的止血デバイス失敗は30日死亡率と365日死亡率に影響を与えなかった。入院期間は経皮的止血デバイス失敗群において有意に延長していた。今回の論文で初めてシース血管比が経皮的止血デバイスの不成功予測因子である事がわかった。過去の論文ではシース血管比が全体の血管合併症の予測因子と証明した論文があったがそのcut offは1.05であった。それよりも低い比率がでた理由としては、その論文と比較して今回の研究では通常のシースではなく弁が通過する際にシース径がひろがるエクスパンダブルシースというシースを使用した影響である可能性があった。この論文はシースのサイズ選択やアプローチ部位の選択に貢献すると考えられた。
Author :
Nara, Y, Watanabe, Y, Kozuma, K, Kataoka, A, Nakashima, M, Hioki, H, Kawashima, H, Nagura, F, Shirai, S, Tada, N, Araki, M, Naganuma, T, Yamanaka, F, Yamamoto, M and Hayashida, K. Incidence, Predictors, and Mid-Term Outcomes of Percutaneous Closure Failure After Transfemoral Aortic Valve Implantation Using an Expandable Sheath (from the Optimized Transcatheter Valvular Intervention [OCEAN-TAVI] Registry) The American Journal of Cardiology.2017 119 (4):611-617.
Dr.奈良有悟

2016年

2016年

Title :
Impact of preparatory coronary protection in patients at high anatomical risk of acute coronary obstruction during transcatheter aortic valve implantation
解剖学的に高リスクで冠動脈閉塞がTAVI後に予測される患者に対して冠動脈保護を行う意義
About :
冠動脈閉塞はTAVI合併症の一つであり、発症すると患者予後に影響を与える。この合併症を予防する目的で冠動脈保護を行うことがある。しかし、明確な冠動脈保護の基準は無く、欧米と同様の基準で欧米人より体格の小さい日本人でも冠動脈保護を行うことが有効かは不明である。今回、我々はOCEAN-TAVIレジストリーから全666例のデータを使用して、1)大動脈弁輪部から10㎜以内の高さで冠動脈が派生している症例、2)大動脈バルーン拡張時に冠動脈が閉塞した症例、3)バルサルバ洞が浅く、弁尖に高度な石灰化を伴う症例で冠動脈保護を行った。その後、保護群と非保護群で冠動脈閉塞発生率と術後短期予後を検討した。結果、冠動脈保護は全体の14.1%に施行され、発生率は全体の1.5%であった。冠動脈閉塞の多くは、女性の左冠動脈入口部で発症し、保護群で約8%と多く、非保護群では0.5%であった。保護群、非保護群に関わらず冠動脈閉塞を発症した全例で血行再建に成功した。また、2群間での全死亡率および周術期合併症に有意差は認めなかった。
Author :
Yamamoto M, Shimura T, Kano S, Kagase A, Kodama A, Koyama Y, Watanabe Y, Tada N, Takagi K, Araki M, Shirai S, Hayashida K. Impact of preparatory coronary protection in patients at high anatomical risk of acute coronary obstruction during transcatheter aortic valve implantation. Int J Cardiol. 2016; 217: 58-63.
山本 Dr.

2016年

Title :
Impact of underfilling and overfilling in balloon-expandable transcatheter aortic valve implantation assessed by multidetector computed tomography
バルーン拡張型人工弁によるTAVIにおける、バルーン容量調整の安全性
About :
大動脈弁狭窄症へのTAVI(Transcatheter Aortic Valve Implantation)において、弁輪破裂は非常に致命的であり、避けるべき合併症の一つである。しかし、限られた人工弁サイズ選択では弁輪破裂が危惧される症例もある。そのため、人工弁のデリバリーバルーン内の拡張容量を規定されている量を調整(増減)して人工弁留置を行うことが実臨床ではよく行われる。このバルーン容量調整は人工弁製造業者からは推奨されておらず、弁拡張不全/過拡張の懸念もあり、安全性の確認が求められていた。そのため、本研究ではCT検査・エコー検査を使用し、その安全性を確認した。容量調整により、自己の弁輪径に合わせて、人工弁は拡張されていた。小さいサイズの23mm人工弁では減量容量での留置で圧格差が軽度上昇したが、元々の自己弁輪径が小さい影響とも考えられた。大きいサイズの26mm人工弁では容量調整により圧格差に差は出なかった。以上、本研究により、弁輪破裂を回避するためのバルーン容量調整の安全性を確認することができた。
Author :
Yashima F, Yamamoto M, Watanabe Y, Takagi K, Yamada Y, Inohara T, Yanagisawa R, Tanaka M, Arai T, Shimizu H, Jinzaki M, Kozuma K, Fukuda K, Suzuki T, Hayashida K; Impact of underfilling and overfilling in balloon-expandable transcatheter aortic valve implantation assessed by multidetector computed tomography: Insights from the Optimized CathEter vAlvular iNtervention (OCEAN-TAVI) registry. Int J Cardiol. 2016; 222: 738-44.
八島 Dr.

2016年

Title :
Pre-Existing Right Bundle Branch Block Increases Risk for Death After Transcatheter Aortic Valve Replacement With a Balloon-Expandable Valve.
右脚ブロック症例はTAVI後死亡リスクが高い
About :
RBBB症例に対するTAVIはペースメーカー植え込み率が高いことが知られているが、予後に関しては十分研究されていなかった。OCEAN registryから102例のRBBB症例で検討したところ、RBBB症例でPM植え込みがない例では早期心臓死が多かった。また、RBBBはCOX解析において独立した危険因子であった(hazard ratio: 2.59; 95% confidence interval: 1.15 to 5.85; p < 0.01)。RBBB症例では厳格なフォローアップが必要と考えられる。RBBB症例に対するTAVIはペースメーカー植え込み率が高いことが知られているが、予後に関しては十分研究されていなかった。OCEAN registryから102例のRBBB症例で検討したところ、RBBB症例でPM植え込みがない例では早期心臓死が多かった。また、RBBBはCOX解析において独立した危険因子であった(hazard ratio: 2.59; 95% confidence interval: 1.15 to 5.85; p < 0.01)。RBBB症例では厳格なフォローアップが必要と考えられる。
Author :
Watanabe Y, Kozuma K, Hioki H, Kawashima H, Nara Y, Kataoka A, Nagura F, Nakashima M, Shirai S, Tada N, Araki M, Takagi K, Yamanaka F, Yamamoto M, Hayashida K. Pre-Existing Right Bundle Branch Block Increases Risk for Death After Transcatheter Aortic Valve Replacement With a Balloon-Expandable Valve. JACC Cardiovasc Interv. 2016 Nov 14;9(21):2210-2216. doi: 10.1016/j.jcin.2016.08.035.PMID: 27832846
渡邊雄介 Dr.

2016年

Title :
Comparison of Results of Transcatheter Aortic Valve Implantation in Patients With Versus Without Active Cancer
担癌患者におけるTAVI
About :
高齢患者が多いTAVI患者において、担癌患者にTAVIを行う例が増加している。今回、我々は担癌患者におけるTAVIの中長期成績を検討した。OCEAN-TAVI registryの8施設、749例を検討した。担癌患者にTAVIを47人(44.7% men; median age 83 years)に行った。 非担癌患者と比較を行った。院内死亡率、出血合併症など院内成績に関しては両群に差を認めなかった。また中長期予後も差を認めなかったが、COX解析において転移がある症例は独立した危険因子であった(hazard ratio 4.73, 95%CI 1.12 to 20.0; p= 0.035)。担癌患者へのTAVIは非担癌患者と同様に安全に施行できるが、転移性癌患者のTAVIの施行は考慮する必要がある。
Author :
Watanabe Y, Kozuma K, Hioki H, Kawashima H, Nara Y, Kataoka A, Shirai S, Tada N, Araki M, Takagi K, Yamanaka F, Yamamoto M, Hayashida K. Comparison of Results of Transcatheter Aortic Valve Implantation in Patients With Versus Without Active Cancer. Am J Cardiol. 2016 Aug 15;118(4):572-7
渡邊雄介 Dr.

2016年

Title :
Comparison of aortic annulus dimensions between Japanese and European patients undergoing transcatheter aortic valve implantation as determined by multi-detector computed tomography: results from the OCEAN-TAVI (Optimised transCathEter vAlvular interveNtion) registry and a European single-centre cohort
日本人と欧米人の大動脈弁複合体のCT計測の比較
About :
日本人は体格が欧米人と比べ小さく、大動脈弁複合体も小さいことが予想されたがデータがなかったため研究を行った。OCEANより90例、フランス人データ181例を比較した。弁輪面積 (375.9 cm2 [IQR 333.8-410.7] vs.472.5 cm2 [IQR 415.3-536.6], p<0.01), 左冠動脈の高さ(13.6 mm [IQR 12.0-15.0] vs. 15.1 mm [IQR 13.5-17.2], p<0.01), そしてValsalva径 (27.2 mm [IQR 25.6-29.5] vs. 32.0 mm [IQR 29.7-34.0], p<0.01)などすべて日本人は大動脈弁複合体が小さい結果であった。日本人へのValveサイズの適用などに役立つ研究と考えられた。
Author :
Watanabe Y, Morice MC, Kozuma K, Yamamoto M, Kawashima H, Yashima F, Inohara T, Bouvier E, Arai T, Fukuda K, Lefèvre T, Hayashida K. Comparison of aortic annulus dimensions between Japanese and European patients undergoing transcatheter aortic valve implantation as determined by multi-detector computed tomography: results from the OCEAN-TAVI (Optimised transCathEter vAlvular interveNtion) registry and a European single-centre cohort, AsiaIntervention 2016;2:49-56.
渡邊雄介 Dr.

2016年

Title :
Streamlining the Learning Process for TAVI: Insight From a Comparative Analysis of the OCEAN-TAVI and the Massy Registries
日本の多施設TAVIレジストリデータベースとフランスの単施設TAVIデータベースの比較
About :
本研究は、本邦においてTAVIが開始されたごく初期に該当する2013年から2014年まで症例を、同時期にフランスのハイボリューム施設で施行された症例と、患者背景、手技の内容、およびTAVI後の臨床成績に関して比較したものである。本邦の患者背景の特徴として大動脈弁輪径が小さいこと、そのため23mm弁の使用が多いことが明らかとなった。フランスでは2002年よりTAVIが施行されており、本邦と比較して手技として成熟していることが考えられたが、TAVI施行後30日時点での臨床成績に関しては、日仏間で有意な差は認められなかった。この点に関しては、本邦において導入されたウェブを用いた事前の第三者によるスクリーニングシステム、さらにプロクターシステムが大きな役割を果たしたのではないかと推察された。
Author :
Inohara T, Hayashida K, Watanabe Y, Yamamoto M, Takagi K, Yashima F, Arai T, Shimizu H, Chevalier B, Lefèvre T, Fukuda K, Morice MC. Streamlining the Learning Process for TAVI: Insight From a Comparative Analysis of the OCEAN-TAVI and the Massy Registries. Catheter Cardiovasc Interv. 2016 Apr;87(5):963-70

猪原 Dr.

2016年7月29日

Title :
Impact of underfilling and overfilling in balloon-expandable transcatheter aortic valve implantation assessed by multidetector computed tomography: Insights from the Optimized CathEter vAlvular iNtervention (OCEAN-TAVI) registry.
Author :
八島 史明 Fumiaki YASHIMA(慶應義塾大学病院 循環器内科)

論文リンク :
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2016年5月28日

Title :
Comparison of Results of Transcatheter Aortic Valve Implantation in Patients With Versus Without Active Cancer.
Author :
渡邊 雄介Yusuke WATANABE(帝京大学病院 循環器内科)

論文リンク :
PubMed 別ウィンドウで開く

2016年5月4日

Title :
Impact of preparatory coronary protection in patients at high anatomical risk of acute coronary obstruction during transcatheter aortic valve implantation.
Author :
山本 真功 Masanori YAMAMOTO(豊橋、名古屋ハートセンター 循環器内科)

論文リンク :
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2015年

2015年10月22日

Title :
Streamlining the learning process for TAVI: Insight from a comparative analysis of the OCEAN-TAVI and the massy registries.
Author :
猪原 拓 Taku INOHARA(平塚市民病院 循環器内科)

論文リンク :
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