構造的心疾患(SHD)カテーテル治療の多施設レジストリーグループ『OCEAN-SHD研究会』
Optimized CathEter vAlvular iNtervention Structual Heart Disease

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Title :
Ankle-brachial pressure index as a predictor of the 2-year outcome after transcatheter aortic valve replacement: data from the Japanese OCEAN-TAVI Registry.
TAVI施行後の2年臨床成績を予測する指標:Ankle-Brachial Pressure Index
About :
末梢血管病変の存在はTAVIにおいてはアクセス部位の選定に重要な役割を果たす。Ankle-brachial pressure index (ABI)は多くの心血管疾患の死亡を予測するマーカーとして報告されているが、高リスクのTAVI適応患者においては分かっていない。OCEAN-TAVIレジストリーに登録された1613例のうち、術前にABIが計測された1458例を対象とした。両下肢ともABI≧0.9(ABI≧0.9群)と、片側または両側が0.9未満(ABI<0.9群)の2群に分けて短期及び長期(2年)の臨床成績を比較した。後者のABI低下は全体で21%に認めた。2年の総死亡は、ABI<0.9群で有意に高く(15.8 vs. 8.7%, p < 0.001)、経大腿動脈(TF)-TAVIでも同様に高かったが(14.9 vs. 7.5%, p < 0.001)、alternative アプローチ(TF以外のアクセス)では差は認めなかった(17.2 vs. 15.8%, p = 0.815)。30日以内ではABI<0.9群で心臓死は高かった(3.1 vs. 1.0%, p = 0.033)が、31日~2年のランドマーク解析では非心臓死の割合が高かった(9.2 vs. 5.1%, p = 0.003)。院内合併症は、手技に伴う血管合併症(11.9 vs. 4.9%, p < 0.001)、急性腎障害(10.8 vs, 5.7%, p = 0.009)がよりABI<0.9群で多くみられた。多変量解析では、ABI<0.9は2年死亡の独立した予測因子であった(adjusted hazard ratio 1.495, 95% CI 1.007-2.220, p = 0.046)。高リスクのTAVI患者においても、術前のABI<0.9は死亡を予測する良いマーカーであることが分かった。
Author :
Yamawaki M, Araki M, Ito T, Honda Y, Tokuda T, Ito Y, Ueno H, Mizutani K, Tabata M, Higashimori A, Tada N, Takagi K, Yamanaka F, Naganuma T, Watanabe Y, Yamamoto M, Shirai S, Hayashida K; OCEAN-TAVI Registry. Heart Vessels. 2018;33:640-650.