- Title ：
- Comparison of long-term mortality in patients who underwent transcatheter aortic valve replacement with or without anti-atherosclerotic therapy
- About ：
- 大動脈弁狭窄症と冠動脈疾患はリスク因子を共有し、TAVI後患者においても心血管イベント発症リスクは高いとの報告がある。抗血小板薬・レニンアンジオテンシン系阻害薬・スタチンは冠動脈疾患の薬物治療として主軸をなす薬剤である。今回、TAVI後患者への抗血小板薬・レニンアンジオテンシン系阻害薬・スタチンの同時投与(抗動脈硬化療法施行)のもたらす影響を評価した。OCEAN-TAVIレジストリーに登録された患者の2518名について傾向スコアマッチングを行い、術前の抗動脈硬化療法施行の有無で495名ずつの2群に分けた。主要評価項目はTAVI術後2年での全死亡・心血管死、副次評価項目はTAVI後の心不全入院・脳卒中・人工弁不全の発症とした。結果として抗動脈硬化療法施行群では心血管死が有意差をもって少なかった。全死亡や心不全入院については有意差は認めないものの抗動脈硬化療法施行群で少ない傾向にあり、脳卒中・人工弁不全の発症はほぼ同等であった。本研究では抗動脈硬化療法施行群では心血管死が少ないという結果であったが、そのメカニズムは解明できず交絡因子の影響は十分に除外できていなかった可能性がある。TAVI後患者における至適薬物療法の研究が待たれる。
- Author ：
- Sasaki K, Watanabe Y, Kozuma K, Kataoka A, Hioki H, Nagura F, Fumiaki Y, Shirai S, Tada N, Yamawaki M, Naganuma T, Yamanaka F, Ueno H, Tabata M, Mizutani K, Takagi K, Yamamoto M, Hayashida K. Comparison of long-term mortality in patients who underwent transcatheter aortic valve replacement with or without anti-atherosclerotic therapy. Heart Vessels. 2021 Jun 8. doi: 10.1007/s00380-021-01873-4.
