構造的心疾患(SHD)カテーテル治療の多施設レジストリーグループ『OCEAN-SHD研究会』
Optimized CathEter vAlvular iNtervention Structual Heart Disease

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Title :
The Impact of Baseline Thrombocytopenia on Late Bleeding and Mortality After Transcatheter Aortic Valve Implantation (From the Japanese Multicenter OCEAN-TAVI Registry)
TAVR後の慢性期出血イベントと死亡におけるベースライン血小板減少症の影響
About :
ベースラインでの血小板減少症は多くの分野、特に心血管系疾患においてリスクファクターとなると報告されている。この研究はTAVRを受けた患者において、ベースラインの血小板減少症が予後予測因子となるかどうかを調査した。本研究はOCEAN registryから2588人のデータを用いて解析した。血小板減少症の定義は150×103/μL未満とし、100×103/μL未満はmoderate/severe、100-150×103/μLはmildの血小板減少症と分類した。ベースラインの患者情報、手技の結果、複合的な慢性期出血イベント(致死的な出血および主要な出血)、全死亡、心血管死、および非心血管死を3群に分けて比較した。3群とは、非血小板減少症群(n=1805)、mildな血小板減少症群(n=620)、およびmoderate/severeな血小板減少症群(n=163)である。TAVR後3年の時点で、複合的な慢性期出血イベント、全死亡、心血管死、および非心血管死に関して、非血小板減少症群と比較してmoderate/severeな血小板減少症群で有意にイベント数は増加した(log-rank, p<0.0001, p<0.0001, p=0.0014, p<0.0001)。複数の因子を補正した後であっても、非血小板減少症群に対してmoderate/severeな血小板減少症群およびmildな血小板減少症群は慢性期出血イベントのリスクが有意に上昇した(HR 2.66:[95%信頼区間1.35-4.88], p=0.006, HR 2.10[95%信頼区間1.35-3.21], p=0.001)。ベースラインの血小板減少症は慢性期出血および不良な転帰と相関していた。ベースラインの血小板数はリスク層別化において予後予測的なマーカーとなりうると思われる。
Author :
Ito S, Taniguchi T, Shirai S, Ando K, Watanabe Y, Yamamoto M, Naganuma T, Takagi K, Yamawaki M, Tada N, Yamanaka F, Tabata M, Ueno H, Yashima F, Hayashida K. The Impact of Baseline Thrombocytopenia on Late Bleeding and Mortality After Transcatheter Aortic Valve Implantation (From the Japanese Multicenter OCEAN-TAVI Registry). Am J Cardiol. 2021 Feb 15;141:86-92. doi: 10.1016/j.amjcard.2020.11.017. Epub 2020 Nov 18.

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