構造的心疾患(SHD)カテーテル治療の多施設レジストリーグループ『OCEAN-SHD研究会』
Optimized CathEter vAlvular iNtervention Structual Heart Disease

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Title
Impact of the clinical frailty scale on outcomes after transcatheter aortic valve replacement
クリニカルフレイリティ―スケールがTAVI患者の結果に与える影響
About
高齢患者が多いTAVI患者において、虚弱度は手術リスクの層別化を図るうえで重要な項目である。虚弱度は様々な項目から評価され、活動性もその中の一つである。今回我々はTAVI前患者の活動性に着目し、これをClinical Frailty Scale(CFS)で判定し、TAVI術後に与える影響に関して検討した。CFSは、活動性や全身状態を容姿と問診から9つの段階に分類する簡易スケールである。専門的知識が不要な主観的評価方法だが、高齢者の予後を評価する有用な指標であることが報告されている。TAVI術前に患者をCFSで評価し、CFS 1-3、CFS 4、CFS 5、CFS 6、CFS≧7の5群に分類して、予後に関する比較検討を行った。結果、CFSカテゴリーが上昇するごとに階段状に予後が悪化し、TAVIのコホートにおいても、CFSを用いた術前患者の活動性の評価が重要であることが確認された。特にCFS≧7のグループで1年死亡率が40%以上であることは、TAVIの適応を考えるうえで重要な情報となる。また、CFSは主観的な評価方法だが、他の客観的に評価するフレイル項目とも有意な相関を示した。また、主に容姿と問診から評価するため、欠損値は存在せず、この点に他のフレイル項目と比較して有用であることが示された。主観的で半定量的な評価項目であるCFSだが、定量的な指標と高い相関関係を示す正確な予後予測因子であるため、術前評価の意義は高いと考えられた。
Author
Shimura T, Yamamoto M, Kano S, Kagase A, Kodama A, Koyama Y, Tsuchikane E, Suzuki T, Otsuka T, Kohsaka S, Tada N, Yamanaka F, Naganuma T, Araki M, Shirai S, Watanabe Y, Hayashida K; OCEAN-TAVI Investigators. Impact of the clinical frailty scale on outcomes after transcatheter aortic valve replacement. Circulation. 2017; 135: 2013-2024.

志村 Dr.