構造的心疾患(SHD)カテーテル治療の多施設レジストリーグループ『OCEAN-SHD研究会』
Optimized CathEter vAlvular iNtervention Structual Heart Disease

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Title
Prognostic Impact of Low-Flow Severe Aortic Stenosis in Small-Body Patients Undergoing TAVR: The OCEAN-TAVI Registry.
体格の小さい奇異性低流量低圧較差重症大動脈弁狭窄症のTAVI後の予後
About
欧米のコンセンサスと反対に体格が小さい日本人では、奇異性低流量低圧較差―重症大動脈弁狭窄症の自然歴は良いとされていて、専門家のなかでもどのような病態であるか分かっていなかった。そこで、OCEAN-TAVIレジストリーに登録された723名の経皮的大動脈弁留置術を施行した体格の小さい日本人の高齢者のコホートで、奇異性低流量低圧較差―重症大動脈弁狭窄症患者の予後を調査した。
結果、日本人のコホートでの奇異性低流量低圧較差―重症大動脈弁狭窄症は、既知の欧米のエビデンスと同様に、経皮的大動脈弁留置術を施行しても、通常流量高圧較差―重症大動脈弁狭窄症と比較して中期的予後が悪い結果だった。また、低流量は手術後の心血管死亡の独立した予測因子でもあった。さらに全死亡、心血管死亡を予測する低流量の定義である拍出係数は35.3 ml/m2未満であり、欧米のガイドラインが推奨する35 ml/m2未満は体格の小さな日本人にも適切であると考えられた。
奇異性低流量低圧較差―重症大動脈弁狭窄症と一概には言っても幅が広く、経皮的大動脈弁留置術の適応となるようなより重症の病態では、求心性肥大を呈している割合が多く、大動脈弁狭窄症解除後も左室駆出率が保持された心不全状態と考えられる。そのため、術後も厳密な内科的な管理が必要であると考えられた。
Author
Kataoka A, Watanabe Y, Kozuma K, Nara Y, Nagura F, Kawashima H, Hioki H, Nakashima M, Yamamoto M, Takagi K, Araki M, Tada N, Shirai S, Yamanaka F, Hayashida K; OCEAN-TAVI Investigators. JACC Cardiovasc Imaging.2018;11:659-669.
片岡明久 Dr.