構造的心疾患(SHD)カテーテル治療の多施設レジストリーグループ『OCEAN-SHD研究会』
Optimized CathEter vAlvular iNtervention Structual Heart Disease

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Title :
A novel technique to avoid perforation of the right ventricle by the temporary pacing lead during transcatheter aortic valve implantation.
TAVI中の一時ペーシングリードによる右室穿孔を予防する新手法

About :
心タンポナーデはTAVIの重要な合併症の一つであり、その原因として比較的多いのが一時ペーシングリードによる右室穿孔である。ペーシングリードによる右室穿孔の予防策として一部の術者によって経験的に行われてきたのが、先端バルーンを拡張したまま右室内に留置する方法である。さらにペーシング不全のリスクとバランスを取るために、さらに一部の術者は先端バルーンを” partial inflation”する方法を経験的に行ってきた。これらの方法が実際に右室穿孔やペーシング不全のリスクとどのように関連しているかをOCEAN-TAVIレジストリ内で検討したのが本研究である。ペーシングリード先端バルーンの状態毎にfull inflation群 (n=100)、 partial inflation群 (n=196)、 deflation群 (n=430)とした。ペーシングリードによる右室穿孔は統計学的に有意ではないものの (p=0.13)、deflation群のみで観察された (6 例 1.4%) 。その一方でペーシング不全はfull inflation群で有意に多く観察された (4.0% vs. 0.5% vs. 0.5%, p=0.004)。手技成功や30日死亡率には3群間で差がなかった。
以上より、ペーシングリード先端バルーンをpartial inflationとすることが、右室穿孔とペーシング不全両者のリスクの観点から最も効果的であることが示唆された。
Author :
Tanaka M, Yanagisawa R, Yashima F, Arai T, Watanabe Y, Naganuma T, Shirai S, Araki M, Tada N, Yamanaka F, Shimizu H, Fukuda K, Yamamoto M, Hayashida K. A novel technique to avoid perforation of the right ventricle by the temporary pacing lead during transcatheter aortic valve implantation. Cardiovasc Interv Ther. 2020 May 30.
慶應 田中 Dr.