構造的心疾患(SHD)カテーテル治療の多施設レジストリーグループ『OCEAN-SHD研究会』
Optimized CathEter vAlvular iNtervention Structual Heart Disease

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Title
A proctoring system to manage the learning curve associated with the introduction of transcatheter aortic valve implantation in Japan.
TAVI導入時期におけるラーニングカーブを制御する本邦のプロクタリング制度が治療成績に及ぼす影響
About
TAVIは多職種アプローチで施行するため、導入時期におけるラーニングカーブの克服をハートチーム全体で取り組まなければならない。本邦のプロクタリング制度はプロクターの立ち合いで施行するOn-siteに加え、外部のエキスパートが患者選択に助言するweb-baseの二部構成が特徴である。本制度のラーニングカーブにおける効果を検証するため、OCEANレジストリーのうち2013年10月~2015年8月までに施行した749例を、プロクタリング期間とその後の独立期間に施行した症例に分けて比較した。一次評価項目であるVARC-2基準における30日のEarly safety endpointは、経心尖部(TA)-TAVIにおいては、プロクタリング期間に比較し、独立後で有意に低くかったが(21% vs. 38%, p=0.031)、経大腿動脈(TF)-TAVIにおいては、一時評価項目に差は認められず(17% vs. 13%, p=0.283)、30日以内の死亡はプロクタリング期間中、一例も認めなかった。傾向スコア調整を行い比較したところ、独立後は、TA-TAVIにおいては、Life-threaten bleedingの低減 (4.0 vs. 25%, p = 0.026)が認められ、TF-TAVIでは手技時間の短縮 (88 ± 43 vs. 102 ± 36 min, p = 0.004)が認められた。本邦独自のプロクタリング制度の下、臨床成績及び技術的な改善がみとめられ、特にTFにおいて導入初期成績は良好であった。TF,TAといった手技の違いにより、ラーニングカーブの急峻性が異なることが分かった。本研究におけるプロクタリング制度の検証は、今後の新しい医療機器導入を安全に普及させるうえでの参考になると思われた。
Author
Yamawaki M, Iwasaki K, Araki M, Ito T, Ito Y, Tada N, Takagi K, Yamanaka F, Watanabe Y, Yamamoto M, Shirai S, Hayashida K; OCEAN-TAVI Registry. Heart Vessels. 2018;33:630-639.