構造的心疾患(SHD)カテーテル治療の多施設レジストリーグループ『OCEAN-SHD研究会』
Optimized CathEter vAlvular iNtervention Structual Heart Disease

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Title
Previously implanted mitral surgical prosthesis in patients undergoing transcatheter aortic valve implantation: Procedural outcome and morphologic assessment using multidetector computed tomography
経カテーテル大動脈弁留置術施行患者における既存の僧帽弁位外科人工弁:手技成績とマルチスライスコンピューター断層撮影による形態評価

About :
僧帽弁置換術後の症例に対するTAVIは、僧帽弁位の人工弁へ干渉するリスクがあり難易度が高いと考えられてきた。これまでいくつかの症例報告やレジストリ研究で手技成績や合併症について報告されているが、本研究ではそれに加えてOCEAN-TAVIレジストリの特徴の一つであるMDCTの詳細な解析についてフォーカスした。特にTAVI術後MDCTの解析は今まで報告されておらず新規の内容である。
僧帽弁置換術後でTAVIが施行された31症例のうち、僧帽弁位人工弁との干渉なくTAVIが成功したのは30症例であった。1症例でTAVI弁が僧帽弁位人工弁と干渉し僧帽弁位人工弁の部分的な開放制限を認めたが、保存的経過観察で退院可能であった。留置中のTAVI弁シフト(留置中の予期しないTAVI弁の上下動)が9症例で観察され、術前MDCTにおける大きな大動脈弁輪面積が予測因子であった(オッズ比: 1.24 per 10 mm2, 1.03–1.49, p=0.02)。MDCTの計測で僧帽弁位人工弁のサイズはTAVI前後で変化しなかった。TAVI弁と僧帽弁位人工弁の距離の中央値は2.6mmであった。TAVI術後の僧帽弁位人工弁とTAVI弁とがなす角度は、TAVI術前の僧帽弁位人工弁と左室流出路とがなす角度より大きく (64° vs. 61°, p=0.03)、TAVI弁が右冠尖方向へ傾いて留置されている事が示唆された。
以上より、僧帽弁位人工弁のある症例へのTAVIの成績は総じて良好であると考えられた。術前MDCTで大動脈弁輪面積の大きい症例は留置中のTAVI弁シフトに注意が必要と考えられた。術前後のMDCTからは、TAVI弁が良好な位置に留置されている事と、僧帽弁位人工弁の形態に変化がない事が確認された。
Author
M, Yanagisawa R, Yashima F, Arai T, Jinzaki M, Shimizu H, Fukuda K, Watanabe Y, Naganuma T, Shirai S, Araki M, Tada N, Yamanaka F, Higashimori A, Takagi K, Ueno H, Tabata M, Mizutani K, Yamamoto M, Hayashida K, on behalf of the OCEAN-TAVI investigators. (2019) Previously implanted mitral surgical prosthesis in patients undergoing transcatheter aortic valve implantation: Procedural outcome and morphologic assessment using multidetector computed tomography. PLoS ONE 14(12): e0226512.
慶應 田中 Dr.