Title :
Using Transmitral Pressure Gradients and Residual Mitral Regurgitation to Optimize Outcome After Transcatheter Edge-To-Edge Repair
僧帽弁通過圧較差と残存僧帽弁閉鎖不全を用いた経カテーテル的僧帽弁接合不全修復術後の予後最適化
About :
経カテーテル的僧帽弁接合不全修復術(M-TEER)後に残存する僧帽弁閉鎖不全(MR)を軽減することは予後改善に寄与するが、一方で僧帽弁通過圧較差(TMPG)の上昇がもたらす影響については議論が続いている。本研究では、機能性僧帽弁閉鎖不全(FMR)患者を対象に、M-TEER後の残存MRとTMPG上昇の臨床的意義を検討した。
対象は、M-TEER施行後に退院時心エコー検査を受けたFMR患者2,360例である。患者は退院時の残存MR重症度とTMPG値に基づき、以下の5群に分類した。
グループ1: MR mild以下 かつ TMPG < 5 mmHg(1,702例)
グループ2: MR mild以下 かつ TMPG 5~10 mmHg未満(164例)
グループ3: MR moderate かつ TMPG < 5 mmHg(361例)
グループ4: MR moderate かつ TMPG 5~10 mmHg未満(71例)
グループ5: MR moderate超 または TMPG ≥10 mmHg(62例)
主要評価項目は、2年間の全死亡または心不全入院とした。
結果として、TMPGが高いほどイベント発生率は増加し、多変量解析ではTMPGが1 mmHg上昇するごとに主要評価項目リスクが10%上昇した(HR: 1.10, 95% CI: 1.02–1.17, P = 0.008)。
5群間の比較では、グループ1が最も良好な予後を示し、イベント発生率は28.4%であった。グループ3(MR moderateでもTMPG < 5 mmHg)の予後はグループ1と有意差を認めなかった(HR: 1.13, 95% CI: 0.92–1.41, P = 0.24)。すなわち、残存MRがmildまたはmoderateであっても、TMPGが低値であれば良好な予後が得られる可能性が示唆された。また、最も良好な群であるグループ1を達成できない因子として、左房容積係数(LAVI)の拡大、有効逆流弁口面積(EROA)の増大、術前TMPGの上昇、G2デバイス使用が挙げられた。
結論として、FMR患者におけるTMPGの上昇は一貫して予後悪化と関連しており、M-TEER後の予後最適化には、MRの軽減だけでなく、TMPGを過度に上昇させない「バランスの取れた」治療戦略が重要であることが示唆された。
Author :
Hiroshi Tsunamoto, Masanori Yamamoto, Ai Kagase, Takahiro Tokuda, Atsushi Sugiura, Tetsuro Shimura, Azusa Kurita, Ryo Yamaguchi, Yuki Izumi, Mike Saji, Masahiko Asami, Yusuke Enta, Shinichi Shirai, Masaki Izumo, Shingo Mizuno, Yusuke Watanabe, Makoto Amaki, Kazuhisa Kodama, Hisao Otsuki, Toru Naganuma, Hiroki Bota, Yohei Ohno, Masahiro Yamawaki, Hiroshi Ueno, Gaku Nakazawa, Daisuke Hachinohe, Toshiaki Otsuka, Shunsuke Kubo, Rebecca T. Hahn, Kentaro Hayashida, OCEAN-Mitral Investigators




